また、瀬川が一番幸せを感じた瞬間について、「離縁してもらった後、2人で横になりながら話しているシーンは一番幸せだったと思います」と語る。
「絶対にないと思っていたことですから。もともと蔦重の性格的に恋愛を考えてないというのはわかっていたし、『俺がお前を幸せにしたい』という奇跡が起こったけど、その思いを蹴って、瀬川を背負った責任として身請けをされて、二度と会うこともないと思っていたし、離縁されるとも思ってなかった。いろんなありえないと思っていたことが叶って、やっと結ばれた瞬間だったから、あのシーンは本当に手放しで幸せだったと思います」
その幸せを捨ててでも、蔦重のために自分が身を引いた方がいいと考えた瀬川。
「夢に向かって楽しそうに走っている姿が好きだったと思うので、本屋さんで『蔦屋』というのを見かけているかもしれないですし、本を作っているんだなというのを遠くから見守っている気がします」
つらい決断をした瀬川へ、小芝として言葉をかけるなら? 小芝は「難しい」と悩みつつ、「『よく決断したね』とか『蔦重の夢が途切れず広がるといいね』ということなのかなと思います」と答えた。
蔦重の元を去った瀬川がこの先どんな人生を送っていくのか。多くの視聴者が心配し、幸せを願っていると思うが、小芝も「幸せに暮らしていたらいいなと願うばかりです」と語る。
「本もたくさん読んできていろんな知識はあるけれど、吉原の中でしか生きてないので、外の常識だったり、お金を稼ぐことだったりというのは簡単ではないと思います。きっと厳しい時間もすごく多いと思いますが、花の井の人が求めているものを見抜く力というか、求められていることに応えることができる力は、きっと外の世界に出ても強い味方になってくれると思うので、幸せでありますようにと思っています」
最後に蔦重へ、「すごくつらい選択をしましたが、それはすべてあなたの夢が叶うことを願ってなので。最初は蔦重も、やっと一緒になれて、これからも一緒に楽しく過ごしていくはずが、急にいなくなって苦しいとは思うけど、蔦重の真っすぐさと、いい方にみんなを巻き込んで進んでいく強い力で、江戸の町を盛り上げていってほしいなと思います」とメッセージを送った。
1997年4月16日生まれ。大阪府出身。2011年「ガールズオーディション2011」でグランプリを獲得。2012年にドラマ『息もできない夏』で女優デビューを果たした。初主演映画『魔女の宅急便』(14)での演技が評価され、第57回ブルーリボン賞・新人賞を受賞。その後、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(16)、ドラマ『トクサツガガガ』(19)、ドラマ『美食探偵 明智五郎』(20)、映画『貞子DX』(22)、ドラマ『波よ聞いてくれ』(23)、ドラマ『転職の魔王様』(23)などに出演。2024年は映画『レディ加賀』、ドラマ『大奥』、ドラマ『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』で主演を務めた。
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