黒部峡谷鉄道は、2025年度の営業運転を4月20日から開始すると発表した。昨年1月1日に発生した能登半島地震の影響で被害を受けた鐘釣橋の復旧工事が長期化しているため、昨年に引き続き宇奈月~猫又間での折返し運転とする。
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新山彦橋を渡るトロッコ電車
猫又駅と鐘釣駅の間にかかる鐘釣橋は、地震による東鐘釣山からの落石で橋げたや枕木が損傷。当初は2024年10月1日頃の全線開通をめざし、復旧工事を進めていたが、詳細な現地調査の結果、東鐘釣山斜面の損傷が想定以上に大きいことが判明。落石防止対策などの復旧工事に想定以上の時間を要することが明らかになり、2024年度は宇奈月~猫又間での営業運転となった。2025年度も引き続き同区間での運行を継続する。
2025年度の営業運転は、4月20日から5月2日まで宇奈月~柳橋間、5月3~9日に宇奈月~笹平間、5月10日から11月30日まで宇奈月~猫又間で実施。宇奈月~柳橋間は列車に乗車したまま柳橋駅で折返し運転となるが、宇奈月~笹平間と宇奈月~猫又間はともに折返し駅での降車が可能され、20分間の休憩の後、同じ列車に乗車して戻ることになる。
なお、猫又駅は通常、工事関係者専用駅で一般の乗客は降車できないため、2025年度は期間限定で「特別な体験」ができることになる。
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黒部峡谷トロッコ電車
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昨年の猫又駅周辺風景
宇奈月~柳橋間の運賃は大人700円・こども360円、宇奈月~笹平間の運賃は大人1,660円・こども840円、宇奈月~猫又間の運賃は大人2,820円・こども1,420円。リラックス客車の利用は1乗車あたり600円の追加料金が必要。個人の予約は4月1日から受け付ける。