4月5日から放送されるNHKの土曜ドラマ『地震のあとで』(総合 毎週土曜22:00~22:45 ※全4話)の完成試写会がこのほど、東京・渋谷の同局で行われ、第1話の主演・岡田将生、共演の橋本愛、唐田えりか、演出の井上剛氏、制作統括の山本晃久氏が登壇した。
1995年に発生した阪神淡路大震災の後、作家の村上春樹氏が著した4つの短編を、震災から30年を迎える2025年の節目に連続ドラマ化。原作の舞台を1995年だけでなく、2025年にいたる設定に置き換えることで、“今”に続く“地震のあと”の30年の時間を描く。
第1話のタイトルは「UFOが釧路に降りる」。1995年の東京で、阪神淡路大震災のニュース映像を見続けていた未名(橋本愛)は、突然家を出ていく。夫の小村(岡田将生)は、妻の行方も分からないまま、後輩に依頼された「届け物」をするため釧路へ赴き、釧路で出会った女性たちに奇妙な旅へと導かれていく。
小村が釧路で出会う不思議な雰囲気の女性で、小村を不可解な言葉で誘っていくシマオを演じた唐田は「私は『ノルウェイの森』が小説の中でも一番好きなので、『やったー!』という気持ちがあって、うれしさのまま入らせていただきました」と村上春樹作品出演の喜びを語った。
そして、「この作品を全部理解できたかというと、はっきり言えないんですけど、岡田さんと対峙しながらお芝居していく中で、台本上では考えてなかった感覚というか、岡田さんを見ていると、自分はこの人と同じようなことを1周回って経験した人物なんじゃないかなと俯瞰して見えた自分がいて、そういう風に感じながらお芝居できたことは大きな経験でしたし、不安定なものの中で演じるからこその面白さを感じられて、ただただありがたい経験でした」と振り返った。
岡田と唐田は今回が初共演。岡田は「今回初めてでしたが、何度かプライベートでもお会いしていたので楽しかったです。2人で迷いながら『このシーンの意図は何なんだ』とお話していったんですけど、言葉にするのがものすごく難しい本なんですよね。その時間でなければ成立していない瞬間があったので、それを2人で共有しながらお芝居できたのがすごくうれしかったです」と語った。
唐田は「こんなこと言うのおこがましいですが、悔しいと思っちゃって。私の感覚ですけど、芝居がちょっと似ていると感じた瞬間があって、自分をぶつけたものに対して岡田さんはさらに超えてきて、私も超えたくて」と岡田と対峙して芽生えた思いを告白。「岡田さんの顔を見ても『なんて顔をする人なんだろう』と。役としてもいろんな感情を味わわせてもらいましたし、役者としてもそういう思いをすごく持ち上げてくださいました」と話していた。