そして、平沢について「とても頭がよく、洒落ていて、楽しんで生きている人。仕事もちゃんとやっているけど、趣味もめいっぱい楽しんでやっている充実した方なのかなと思っています」と解釈。演じていると「どんどん楽しくなっちゃう」と平沢役を心から楽しんでいるようだ。

道陀楼麻阿(どうだろうまあ)というペンネームも持つ平沢。

「よく『どうだろう、まあ』って言っていて、物事をあまりカチッと決めない人なんだろうなと思います。楽しんでいて、あまり思い詰めて仕事をしていないというところも憧れるし、似ているような気はします」

「宝暦の色男」の異名については、「どうしたらいいのかなと思いましたが、吉原に通い慣れていて、遊び方がうまいという意識でやっています」とのこと。「いい男というより、きれいな遊び方をする人なのではないかなと。女郎さんにも楽しんでもらって、自分も楽しんでいる、そういう遊び方ができる色男なのではないかなと、勝手に解釈しています」と語った。

流行作家として一時代を築き、蔦重にとって最高かつ最大の協力者となる平沢。今後は“探せ”キャラではなく、重要人物として注目していきたい。

■尾美としのり
1965年12月7日生まれ、東京都出身。1978年に映画『火の鳥』で子役デビューを果たす。1983年に映画『転校生』で主役を務め、第6回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以後、映画、テレビなど多数の作品に出演し、名バイプレイヤーとして長年にわたり活躍。テレビでは『鬼平犯科帳』シリーズ(フジテレビ/89~)木村忠吾役、連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK/13)主人公アキの父親・黒川政宗役などを好演し、大河ドラマ(NHK)への出演は、『草燃える』(79)、『北条時宗』(01)、『平清盛』(12)、『おんな城主 直虎』(17)、『麒麟がくる』(20)に続き、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は6作目。

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