現在放送中の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で、「オーミーを探せ」とネットで毎回話題を呼んでいた平沢常富役の尾美としのりが、23日放送の第12回「俄なる『明月余情』」で過去最長出演。覆面戯作者・朋誠堂喜三二であることを横浜流星演じる主人公・蔦屋重三郎が知り、絵本『明月余情』で初タッグが実現した。本格登場を果たした尾美にインタビューし、これまでの1秒出演の感想や、平沢の魅力、ネット上での反響について話を聞いた。

  • 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』平沢常富役の尾美としのり

江戸時代中期の吉原を舞台に、東洲斎写楽、喜多川歌麿らを世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く本作。

尾美は、初登場の第2回は約10秒出演するも、その後は1秒出演が続き、「オーミーを探せ」と尾美探しを楽しむ視聴者が続出。そして第10回は約10秒、第11回は約40秒と出演時間が長くなり、第12回でついに本格登場した。この回で、蔦重は平沢のことを朋誠堂喜三二だと認識。「俄(にわか)祭り」を描いた絵本『明月余情』の「序」の執筆を依頼し、この本が飛ぶように売れた。

平沢は秋田佐竹家・留守居役(いまでいう外交官)。役職柄、情報交換の場として吉原に出入りすることが多く、これまでたびたび吉原にいる姿が映されてきた。

尾美は「台本のト書きに1行、『大門を通っていく平沢』と書いてあるのを見て、すごくうれしくて。こんな出し方をしてもらってありがとうございますという気持ちです。洒落ているなと思いました」とユニークな登場に喜びを感じていたそうで、「吉原にいつも出入りをしている人だということがわかればいいなと。吉原に出入りしているぞ! という感じでやっていました」と語る。

そして、「なるべく映らないようにした方がいいですよね」と制作陣と相談しながら撮影していたと言い、「扮装が大変で2時間もかかるんですけど、なるべく映らないように。楽しんでやっていました」と笑う。

「オーミーを探せ」とネット上で盛り上がったことについては、「こんなにSNSで騒がれるとは思ってなかった」と驚いたという。

「親戚とか近しい人間が探すと面白いなと思っていたのが、こんなにSNSで騒ぎになって。ちゃんと出たら『つまんないな。探すぐらいがちょうどいいや』と思われたら悲しいなってプレッシャーになっています(笑)」

大河ドラマへの出演は今回が6度目。「友達や親戚など近しい人が、大河ドラマに出ると喜ぶんです。『大河出るの!? 見るよ!』って」と言うも、「今のところ何の連絡も来ない(笑)」と明かした。

ユーモアに富んだ登場で、いきなり本格登場するよりも視聴者にとって気になる存在となったが、尾美は「もう“探せ”は終わった!」と「オーミーを探せ」終了を宣言。「“探せ”の方が面白かったって思わないでほしいなって。もうお願いですね」と今後も楽しんでもらえることを願い、「セリフを言うようになったときは緊張しました」と吐露した。