――背徳感があったら、そんな楽しそうに言えないです(笑)。
言えないです(笑)。言えないですし、取材でこうしてお話しするのも小っ恥ずかしい気持ちになると思うんですけど、写真集を見て、こんなふうに「あらまあ!」って言えるのは、撮影してるときのコンディションも良かったんだろうなって。
――先ほど見たら、Amazonのレビューも高評価でした。
ファンのみんながいっぱい甘やかしてくれてる。
――いや! 須田さんのファンの方もですが、純粋にグラビアというジャンルが好きそうな人のレビューも満足感のある感じで。
そうなんだ! ありがたいですね。
――写真集の購入者レビューを読んでいると、「ファンは買ってもいい」みたいなコメントがついていることを見かけるんですよね。
そうなんですね。
――ファンの方がうれしい内容なら、それで良いと個人的には思うんですけど……。でも、『pluie』はどちらにも刺さる内容になっていそうだなと。
写真集を作る前、編集者さんとの打ち合わせの段階から私が一番大事にしていたのが、頑張っちゃってるように見えないようにしようっていうことで。無理してるように見えるのが嫌で、そうじゃないハッピーな感じだけど、年相応の等身大な落ち着きも表現したかったんですよね。そういう芯を自分の中でしっかり持っていたので、「こう撮ったら素敵になるよ」という制作チームの皆さんからの提案と、私の思い描いていた理想がすごく噛み合っていたなと実感しています。
――ファンの方はきっと分かりますもんね。
そうそう。グラビアのお仕事をするたびに、「服を着てるほうが好きだけどな」「いつものあかりんが好きだから緊張するし、買うのためらっちゃうな」と言ってくれる方が昔からいるんですけど、今回はそういう声があんまりなくて。実際に見てくださった方からは、「思った以上に露出度が高いカットもすごくキレイだなと思って、見ることができたよ」というポジティブな言葉をもらえました。ちゃんと思ったように写真集を届けられて、ほっとしています。
須田亜香里の経歴が見えるボディ
――初フォトエッセイ『がんこ』(扶桑社)を発売されたとき、ボディメイクについて「ずっとキープするのが趣味。ゆるくキープするのが好きです」とおっしゃっていましたよね。
はい。
――今回はそのなかでも特別意識したことはありましたか?
今回の撮影のために始めたことはなくて、2年前から続けてるピラティスでついた筋肉も定着してきてますし、私、クラシックバレエを13年、アイドルを13年、アイドルをやめてから2年半なんですけど、いろんないい筋肉の土台が身体に積み重なっている気がしていて。そんな自分の経歴が出てる体も結構好きで、それは見せられたかなと思います。
――素敵な表現です。
あとは、1st写真集のときは、ちょっと絞りすぎちゃったんですよ。写真集=絞る、絞るほうが偉いみたいな空気を感じていて、それに振り回されてたんです。痩せなくてよかったのにって。私、グラビアを見るのも好きなんですけど、ちょっとぷにってしてるのがすごくかわいいなと思うので、今回は水着にほどよくお肉が乗ってる感じを目指したかったんですけど。
――ですけど?
撮影1カ月前に体調を崩して、痩せちゃって(笑)。
――大変!
痩せて筋肉も落ちちゃって、どうしよう……みたいな。1カ月かけて必死に食べて体を戻しました。
――良かった! ご自身の計画通りにはいかなかったのは残念ですが、とても素敵でした。
ありがとうございます。
デビューから15年間を振り返って
――15周年ということで。ざっくりとした質問で恐縮なのですが、この15年を振り返ってみていかがですか?
15周年ってすごいなって思います。自分でも、よくここまで来たねって感じで。自分一人じゃ絶対にたどり着けなかった場所だと思うんです。今は地元の番組レギュラーを中心に1週間が成り立ってて、7年くらい前から続けさせてもらってる番組が2本もあるのかな。それからレギュラーがだんだん増えていって。
あとは、子どもの頃から当たり前のように家に届いていた中日新聞で週1回の連載をやらせてもらったり。昔から自分が観てた番組や読んでた新聞で、こんなに長くお仕事をさせてもらえるなんて、本当に夢みたいで。こうやって長く使っていただけてることが、単純にすごいなって感動します。
――須田さんの仕事への取り組み方が評価され続けていて、その期間も成長されているんだろうなと思います。
自分ではそんなに成長できてるという自信はないんですけど、この15年の中でラッキーだったなと思うことがあって。アイドル時代に、バラエティ番組に出させていただくようになって、皆さんに見ていただける機会は増えたんです。でも、「ブレイクした」と言われたことは一度もなくて、それが私にとってはすごくラッキーだったなと。
総選挙でも2位まで行かせていただいたけど、センターじゃなかったから自由にやらせてもらえた部分もあって。もし最初からグループのセンターを任されていたり、コンスタントに真ん中に立ってたら、自由に動けなかったり、いろんな気持ちに押しつぶされちゃってたと思うんです。
――注目度もすごいですし。
グループでも後ろのほうからスタートして、前に出たいという気持ちで頑張ってきました。でも、SKE48で1回だけシングルのセンターをやらせてもらったときはうれしかったけど、大変さも分かって。今まで後ろにいられて幸せだったんだなって思えたんです。
いつもお腹いっぱいにならない環境でやらせてもらえたことは、なんてラッキーだったんだろうって。それは今も変わらなくて、もっといろんな仕事がしたいなと思えたり、あの子みたいな仕事ができたらいいなと人のことをうらやましいと思ったり、目標を持てるのがいい環境だなと思います。