よかれと思って目上の人や上司を褒めたつもりが、逆に嫌な顔をされた経験はありませんか? 今回は、目上の人に使うべきではない褒め言葉と適した言葉をご紹介。また、失礼にならないように配慮したいポイントも、見ていきましょう。
そもそも、目上の人を褒めるのは問題ない?
人を褒めるということは、実はとても難しいことです。その相手が目上の人となれば、「褒めることで失礼にならないか」と迷ってしまいますよね。
目上の人を褒めるのは問題ありません。ただし、いくつか注意が必要です。もっとも大切なのは、感謝や尊敬を表現すること。相手を尊敬する気持ちを込めて、自分が感動したり素晴らしいと感じたりした点を伝えることができれば、目上の人に失礼なく褒めることができますよ。
目上の人を褒めるときにNGな言葉
褒め言葉のなかには、上から目線に感じてしまう言葉もあります。まずは目上の人には避けたほうがいい褒め言葉を見てみましょう。
「すごい」「さすが」
これらの言葉は、目上の人が目下の人の優れている点を評価する際に使う言葉の代表格。たとえば部長が仕事上のトラブルを見事に解決したからといって、「部長、さすがでしたね」などと評価してしまうのはとても失礼なことです。
気に入られようとしたつもりが、逆効果となってしまう可能性もあるので要注意です。
「上手」「えらい」「たいしたもの」
相手を下に見ているような印象を与えるこれらの褒め言葉は、目上の人に使うのは避けたいものです。「たいしたものですね」といった発言は、「自分の方が上の評価する立場にあると思っているのか?」など思いもよらない誤解を与えてしまうことも。
思わず口に出してしまうこともあるかもしれませんが、その場合は感動した点などを具体的に添えるとよいでしょう。
「よくご存じ」「通ですね」
相手がその分野に精通していることを称えたいときについ使いがちな言葉ですが、偉そうで上から目線な印象に。目上の人に対して配慮をするならば、「詳しいとお聞きしています」と言い換えた方がいいです。
目上の人を褒める言葉の例
ではここからは、目上の人を褒めるのに適切な言葉を見てみましょう。
勉強になります
「勉強になります」という言葉は、上司や先輩のことを「すごい」と思っていることを伝え、なおかつ自分もそれを学ぼうという姿勢を示すことができます。相手も部下や後輩の成長をサポートできたと感じられるので、嫌な気はしないはず。
見習います
目上の人の褒めポイントを、自分ごとに置き換えて目標としていることを伝えられるフレーズ。部下や後輩のお手本となっていることは嬉しいですし、相手の励みにもなるでしょう。
また、仕事のやり方などを教えてもらうときなどには、「どうしたら先輩のように作業のスピードをあげられますか?」など、お手本にしたいから教えてほしいという姿勢を見せると、気持ちよく答えてもらえます。
敵いません
自分にはできないことを見事に成し遂げる目上の人に、「自分にはまったく及ばないほどすごい」という意味を含み尊敬の念を伝えることができます。
感謝しています
どんな人も感謝されることに心地よさを感じます。目上の人には、感謝の気持ちを込めて「いつもお世話になっている先輩に感謝しています」と伝えると、褒め言葉とともに心からの感謝が伝わるはずです。
尊敬しています
「尊敬」という言葉を使うことで、相手への敬意をしっかり伝えつつ、上司を褒めることができます。「部長の仕事に対する真摯な姿勢を尊敬しています」など、具体的に伝えることで、より深く敬意を表することができます。
造詣が深いですね/精通していますね
目上の人の知識の豊富さを褒める際、「物知りですね」や「博識ですね」というと、上から目線に感じられることがあります。代わりに、「部長は幅広い分野に精通しているんですね」や「どんなことにも詳しいですね」といった謙虚な表現を使うと、より自然に尊敬の念を示すことができます。
上品ですね
「大人っぽいですね」の代わりに「上品」と表現することで、相手を尊重しつつその魅力を伝えられます。たとえば「部長の服装、いつも上品ですね」や「立ち振る舞いが本当に上品ですね」というと、相手も喜んでくれます。
おしゃれですね
「センスがいいですね」だと上から目線で評価しているように聞こえますが、「おしゃれですね」とシンプルに感想を伝えることで失礼な印象がぐんと薄れます。さらに「改めて」を加えると、以前からおしゃれだと思っていたことが伝わり、より好印象を与えることができます。
ステキですね
「ステキですね」は、相手や物事の魅力を自然に伝える言葉です。感嘆や称賛の気持ちを込めて使うことで、相手のよさをシンプルに表現でき、日常の会話のなかで相手を心地よくさせる効果があります。
目上の人を褒めるときに気をつけたいポイント
目上の人を褒めるときには、いくつか配慮したいことがあります。気をつけたいポイントをきちんと把握しておきましょう。
上から目線の褒め方をしない
褒め言葉を使う際、うっかり上から目線にならないよう注意が必要です。「自分より優れている」と伝える際は、あくまで謙虚な姿勢で、目上の人を敬うことが大切です。無意識に評価してしまうと、相手に不快感を与える可能性があるので、下からの姿勢で接するように気をつけましょう。
他の人と比較しない
他の人と比較をするとよいところが明確になるため、「隣の部の部長よりすごいですね」などと褒める人も少なくありません。しかし、人を下げて自分を上げられても不快感を覚えるだけ。他の人を下げて相手を上げるような褒め方は控えましょう。
評価ではなく感想として伝える
褒めたい気持ちを誤解なく伝えるためにも、評価ではなく感動や感想を素直に伝えるように心がけましょう。相手との関係性やシチュエーションに合わせて、表現を工夫してみるのもいいでしょう。
目上の人にふさわしい褒め言葉で、よりよい関係を築こう!
目上の人を褒めるのは、どうしても気を遣ってしまいますよね。今回紹介した言葉や注意点を参考に、素直な気持ちを伝える方法を工夫すれば、相手に不快感を与えずに褒めることができます。
目上の人にうまく感謝を伝えられれば、信頼関係が深まり、仕事にもプラスに働くはずなので頑張ってみましょう!