俳優の草なぎ剛が主演を務めるNetflix映画『新幹線大爆破』の樋口真嗣監督が12日、都内で行われたNetflixラインナップ紹介イベント「Next on Netflix」に、プレデューサーの佐藤善宏氏とともに登壇した。

  • 樋口真嗣監督

    樋口真嗣監督

1975年に佐藤純彌監督がメガホンを取り東映が制作し、パニック映画の金字塔として今もなお世界中で語り継がれる映画『新幹線大爆破』を原作に、新作リブート作品として制作。原作の大ファンである樋口真嗣監督が、現代社会への再構築として大幅にアレンジして描き出す。主演は『日本沈没』でも樋口監督とタッグを組んだ草なぎ剛。はやぶさ60号車内で爆破を回避すべく奮闘する車掌・高市を熱演する。

この日、4月23日に世界独占配信されることが発表され、草なぎの凛々しい車掌姿を捉えた場面写真も公開された。

樋口監督は、20年ぶりのタッグとなる草なぎを主演に迎えた理由を聞かれると「20年前はアラサーだった。まだ若い頃から始まって一緒に映画を作り終わったあと、彼もいろんな作品に出て、見ていてうれしい半分、これを自分が撮れないのが悔しい半分、すごいやきもきしていたんです。草なぎさんがいい芝居をよそですればするほど俺も撮りたいと」とジェラシーを抱いていたと打ち明け、「俺だったら……っていうときにやっとそういうチャンスが回ってきた。つないでいただいてありがたかった」と喜びを語った。

また、草なぎの演技について、樋口監督は「20年の人生分の深みが彼の中に醸造されていて、それが染み出てくる」と称賛。「誰かのお芝居を受け止めてぐっと堪える役で、耐えて忍んで堪える、そこの一点において、この顔が見たかったと。たまたま乗り合わせた列車がこんなことになって、彼は何も悪くないのに、乗務員としての責任があるので、投げ出したり感情的になってはいけない。鉄道マンとしての矜持をどう表現してもらうか」と語った。

草なぎ演じる高市が車両から車両に飛び移るシーンが描かれるそうで、台本には記載はなかったものの「どうせだったらちょっとジャンプしたほうがいいんじゃないか」と思い、そのシーンを取り入れたと説明。スタントチームに検証してもらった上で草なぎがジャンプに挑戦し、無事成功したという。

樋口監督は「終わったあとにつよぽんから『監督さぁ、もう俺、20年前と違うんだから』と言われて」と明かし、「20年のブランクを感じずに仕事をしていた俺が間違っていたと。草なぎ剛はもうアラフィフだったんだと気づいて申し訳ないことをしたけど、そんな無茶ぶりに応えてくれた草なぎさんは本当に素晴らしいなと思います」と称えていた。