森の環は2025年1月30日、「産前・産後の女性が抱える栄養課題」に関する調査の結果を発表した。同調査は2025年1月17日~2025年1月21日、現在妊娠中の女性と産後1年以内の女性1,026人を対象にインターネットで実施した。

  • 妊娠中・産後において自身の免疫力低下を感じるか

はじめに、「妊娠中・産後において自身の免疫力低下を感じますか? 」と質問したところ、約8割の人が「とても感じる」(41.8%)「やや感じる」(43.2%)と回答した。

妊娠中・産後ともに免疫力低下を感じている人は多いようだ。

では、どのような理由で免疫力が低下していると考えるのか。前の質問で「とても感じる」「やや感じる」と回答した人に聞いた。

「免疫力低下の理由としてどのようなことが考えられますか? (複数回答可)」と質問したところ、「体力の低下」(53.1%)と回答した人が最も多く、次いで「睡眠不足」(43.5%)「運動不足」(38.7%)「女性ホルモンの大きな変化」(38.7%)となった。

約半数以上の方が、「体力の低下」を免疫力低下の主な原因として挙げた。産前産後の女性たちは、睡眠不足に加え、妊娠・出産による身体のエネルギー消耗や栄養バランスの乱れ、さらに身体が通常の回復力を十分に発揮できない状況に直面することが多いと考えられることから、総合的に「体力の低下」と回答した人が多いのかもしれない。

妊娠中はつわり、産後は育児疲れなどで十分な食事を摂れていない人もいるかと思う。

  • 現在、栄養面で満足できる食事を摂れているか

そこで、「現在、栄養面で満足できる食事を摂れていますか? 」と質問したところ、現在妊娠中の人と産後1年以内の人で上記グラフのような回答結果になった。

現在妊娠中の人の約4割、産後1年以内の人の約6割が栄養面で満足できる食事を摂れていないようだが、満足できる食事が摂れていない理由とは何なのか。

  • 満足できる食事が摂れていない理由

前の質問で「あまり摂れていない」「全く摂れていない」と回答した人に、「十分に食事が摂れていない理由として当てはまるものを選んでください(複数回答可)」と質問したところ、現在妊娠中の人と産後1年以内の人で上記グラフのような回答結果になった。

両者ともに「栄養が偏った食事が多い」という回答が最も多く、栄養バランスに配慮することが難しい状況が共通している様子がうかがえる。

また、その他の上位の理由を見ても、体調の変化や日々の忙しさが、自分の食事に十分な時間や労力を割くことを難しくし、結果として栄養面で満足のいく食事を摂ることが難しい状況に繋がっているようだ。

現在妊娠中、産後1年以内の多くの人が、栄養面で満足できる食事を摂れていないことがわかった。

では、不足している栄養素を補うために、普段から意識して摂取している栄養素はあるのだろうか。

「現在、意識して摂取している栄養素はありますか? (複数回答可)」と質問したところ、「鉄分」(41.5%)と回答した人が最も多く、次いで「葉酸」(34.1%)「カルシウム」(28.4%)となった。

そのような栄養素を意識して摂取している理由についても聞いてみた。回答は以下の通り。

・【葉酸/鉄分】貧血気味なので(30代/岐阜県/現在妊娠中)

・【葉酸/ビタミンC】葉酸はいいって聞くから(30代/神奈川県/現在妊娠中)

・【葉酸/鉄分/カルシウム】胎児にいい影響を与えるから(30代/富山県/現在妊娠中)

・【鉄分/カルシウム/ビタミンA】授乳するため(30代/富山県/産後1年以内)

・【鉄分】貧血になるのを防ぐため(30代/岡山県/産後1年以内)

貧血予防や胎児にいい影響を与えることから、「鉄分」「葉酸」「カルシウム」といった栄養素を意識して摂取していることがわかった。

栄養素の中でも、ビタミンDは胎内死亡や新生児死亡のリスクが減少すると言われているが、母体や赤ちゃんにとって重要な栄養素だと知っている人はどの程度いるのだろうか。

  • ビタミンDが重要な栄養素であることを知っているか

「ビタミンDが母体や赤ちゃんにとって重要な栄養素であることをご存知ですか? 」と質問したところ、「知っている」(53.7%)「知らない」(46.3%)という回答結果になった。

ビタミンDの重要性について知っている人が約半数いるものの、知らない人も多いことがわかった。

では、食事でビタミンDを十分に摂取できていると思う人はどの程度いるのだろうか。

  • 食事でビタミンDを十分に摂取できていると思うか

「現在の食事でビタミンDを十分に摂取できていると思いますか? 」と質問したところ、現在妊娠中の人と産後1年以内の人で上記グラスのような回答結果になった。

産後1年以内の人は、摂取できていないと回答した人が約7割に上り、妊娠中に比べて摂取が難しいことがうかがる。

では、どのような理由でビタミンDを十分に摂取できていないと感じるのだろうか。 前の質問で「あまり摂取できていない」「全く摂取できていない」と回答した人に聞いた。

  • ビタミンDを十分に摂取できていないと感じる理由

「ビタミンDを十分に摂取できていないと感じる理由として当てはまるものを選んでください(複数回答可)」と質問したところ、「どの食品にビタミンDが含まれているか知らないから」(32.3%)と回答した人が最も多く、次いで「栄養を考えた食事を作る余裕がないから」(29.0%)「ビタミンDが必要だという意識が薄いから」(28.9%)となった。

「知識不足」や「余裕のなさ」「意識の薄さ」から、ビタミンDを十分に摂取できていないと感じることがわかった。

では、母体や赤ちゃんに重要なビタミンDを手軽に摂取できるとしたら試してみたいと思うのだろうか。

  • 母体や赤ちゃんに重要なビタミンDを手軽に摂取できるとしたら試してみたいと思うか

「1日分のビタミンDが手軽に補給できるインスタントの味噌汁やトマトスープを試してみたいと思いますか? 」と質問したところ、約8割の人が「とても試してみたいと思う」(25.0%)「やや試してみたいと思う」(50.5%)と回答した。

自身の身体や赤ちゃんの健康のために、手軽にビタミンDを補給できる味噌汁やスープを試してみたいと思う人が多い結果となった。