カルビーは、花粉症の予防策として腸内環境を整える「腸活」に注目。2025年1月20日に「パーソナライズ腸活」の有効性や、最新の腸内環境研究で注目されている「短鎖脂肪酸」の健康効果について紹介した。
◼︎花粉症と腸の関係
新年を迎え、そろそろ気になってくるのは花粉症ではないだろうか。花粉症はアレルギー疾患の一種で、本来、害のないものに過剰反応し攻撃してしまう免疫システムの暴走により、アレルギー反応が起こるといわれている。つまり、花粉症反応は本来、体に害のない花粉に対して過剰反応して攻撃をしてしまっている状態。
そんな花粉症の予防策には、腸内環境を整える「腸活」の効果が期待されているという。腸には、ウイルスや病原菌などの外敵から体を守るための免疫機能の半数以上が存在し、腸は体の中で最も大きな免疫器官。この仕組みを「腸管免疫」と呼ぶ。
腸管免疫の働きに影響を与えているのは、腸内に生息する腸内細菌で、それらの群集により腸内フローラが形成されている。腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、腸管免疫が低下し全身の免疫力低下につながる一方で、「パーソナライズ腸活」によって腸管免疫が高まり、免疫システムの安定につながるそう。
また、「パーソナライズ腸活」によって腸内環境が整うことで、腸内細菌の代謝物質である「短鎖脂肪酸」をより効率的につくり出すことが期待できるといい、この「短鎖脂肪酸」が花粉症の症状を抑制することがわかっている。
◼︎花粉症の症状を抑制する「短鎖脂肪酸」とは?
では、短鎖脂肪酸とはなんだろう?
短鎖脂肪酸は、大腸内の腸内細菌が、食物の中に含まれる腸内細菌の“エサ"となる成分を取り込んで分解し、代謝することでつくられる代表的な代謝物質。
アレルギーの原因となる「免疫グロブリンE(IgE)」を減少させたり、免疫細胞の過剰な反応を抑制する効果があることから、花粉症などのアレルギー抑制・予防の可能性が注目されている。
◼︎「短鎖脂肪酸」をつくる腸内細菌と食材を紹介!
そこで、「短鎖脂肪酸」をつくる6つの腸内細菌と好む食材について紹介する。
1.バクテロイデス
この細菌が好んで食べるイヌリンは、ごぼう・玉ねぎ・にんにく・キクイモ・チコリに含まれている。きんぴらごぼう、筑前煮など、これらの食材を使った料理を取り入れよう。
2.プレボテラ
この細菌が好んで食べる大麦は、麦ごはん・全粒粉パン・グラノーラ・雑穀などに含まれている。主食を中心に、ちょっとした間食などで取り入れよう。
3.フィーカリバクテリウム
この細菌が好んで食べるフラクトオリゴ糖は、バナナ・はちみつ・玉ねぎに含まれている。バナナやはちみつを朝食に添えるなど、いつもの食生活にプラスを。
4.ルミノコッカス
ルミノコッカスが好んで食べるレジスタントスターチは、芋類・豆類などの難消化性でんぷんを多く含む芋類や豆類に含まれる。とろろごはんや豆ごはんなど、白米にプラスしてみるのもありだろう。
5.ビフィドバクテリウム
この細菌が好んで食べるガラクトオリゴ糖は、牛乳・ヨーグルトなどの発酵乳に含まれる。積極的に取り入れてみよう。
6.ブラウティア
この細菌が好んで食べるハイカカオは、カカオ75%以上のチョコレートに含まれている。選ぶ際には、高カカオ含有の商品を選ぼう。
◼︎まずは自分の腸内環境を知ることから
人の腸内にはおよそ1,000種類、約40兆個の腸内細菌が存在しているが、腸内にすむ種類や割合は一人ひとり大きく違うという。
まずは自身の腸内フローラを調べ、自分の腸内環境を知り、その結果に合わせた食事を意識することが第一歩。自分の腸に合う(腸内細菌が好む)食材を摂取することで、自分の腸内細菌に最大限活躍してもらうことが重要だという。
長年、腸内環境を研究するメタジェンの代表締役社長CEO 福田真嗣氏によると、「短鎖脂肪酸をつくり出すには、みなさんの腸の中にいる腸内細菌が好む食材を届けてあげることが必要。自分の腸内フローラのタイプはある意味で自分の体質とも捉えることができます」とし、よりよいライフスタイルを実現するために自分の腸内フローラのタイプを理解する必要性について説いた。
福田真嗣氏は、メタジェン代表取締役社長CEO、慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任教授。腸内環境研究一筋25年。腸内環境を適切にデザインすることで「病気ゼロ」社会を実現するため、2015年にメタジェン社を設立。便を「茶色い宝石」と呼び、便に含まれる腸内環境情報から次世代のヘルスケア産業の創出を目指している。