※後編では、NO.21(第21問)以降を掲載しています。NO.20(第20問)以前をお読みになりたい方は、前編をご購入ください。
はしがき
必死問題は終盤力の向上に役立つ。本書は自作の必死問題集である。必死では、次の詰みが受からないことの見極めが必要となる。必死の決まり形のパターンは、
①数的優位の必死(詰みを狙う地点の攻め方の利きの数が多いので受からない)
②2つ以上の詰めろの必死(2つ以上の詰みが同時には受からない)
③受ける場所なしの必死(守備駒を打つ場所がないので受からない)
④両王手の必死(両王手の詰みが受からない)
⑤切り返しの必死(詰みを防ぐ手を逆用する新たな詰みが生じるので受からない)
の5つに分類される。本付録では問題図にこのパターンを示した。必死の決まり形は拙著『必死道場』や『ロジカルな必死200』でも採り上げているので、詳しくはそちらをご参照いただければ幸いである。
なお、本付録の問題は、基本的に単行本には未収録の新題であるが、一部の問題はポケット冊子『解けてうれしい詰将棋』等に掲載された問題も収録している。
金子タカシ
※本書では、著者の希望により本誌では通常「必至」としている表記を「必死」に統一しております
※問題図における後手の持ち駒は、盤上の駒および先手の持ち駒以外の全部
No.21 【5手必死編】
【ヒント】寄せの基本は?
●第21問解答●
▲1一角成△同玉▲2三銀△1二金▲1三香(解答図)まで5手必死
▲1一角成△同玉と玉を下段に落として、▲2三銀と上から押さえるのが、寄せの基本にのっとった順である。これで次の▲2二銀引成及び▲1二香の詰みを見る。両方を受ける手としては、△5二飛と△1二金が考えられるが、このうち△5二飛は▲1二香△同飛▲同銀成△同玉▲3二飛△2三玉▲2二飛成の詰みがある。
よって、▲2三銀には△1二金だが、▲1三香(解答図)が決め手となる。解答図は、1三の香を△同桂と取れば▲1二銀成△同玉▲2二金で。△同金と取れば▲2二銀引成で詰む。