「YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2024」(12月1日にパシフィコ横浜で開催)の会場で、「ボタンひとつで音が変わる電子制御音量可変マフラー」なる展示物を発見した。バイクの音が簡単に変えられる、まるでジキルとハイドなマフラーとはいったい……。担当者に話を聞いた。

  • Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラー

    「トライジャ」のブースで発見した電子制御音量可変マフラー。どんな仕組み?

車検に適合! 安心して換装可能

マフラーから発せられるサウンドはバイクの醍醐味のひとつ。しかし、あまりに大きな音は、特に都市部や住宅街では他人の迷惑になりかねない。そんなバイク乗りのジレンマ解消に役立ちそうなのが、この電子制御音量可変マフラーだ。

手がけるのはドイツのマフラーメーカーであるDr.ジキル & Mr.ハイドマフラー。同社の電子制御音量可変マフラーは世界40カ国で販売されていて、年間約2万本が売れているという。この分野では世界シェアNo.1だ。

トライジャは大阪に居を構える有名なカスタムビルダーで、Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラーの日本総代理店も務めている。

  • BMWモトラッド「R12」のカスタムマシン「Legal Weapon R12」

    BMWモトラッドが実施した「BMW R12カスタム・プロジェクト」にてトライジャが公開した「R12」のカスタムマシン「Legal Weapon R12」

  • BMWモトラッド「R12」のカスタムマシン「Legal Weapon R12」

    「Legal Weapon R12」はコンプリート車両として数量限定での販売が決定。トライジャブースでは実車を展示してアピールしていた。販売価格は新車代とカスタム費を合わせて380万円(登録料別途)を予定しているとのこと

担当者によれば、Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラーの日本販売は2017年頃から始まり、徐々に知名度が高まってきているという。現在は高年式ハーレーのほとんどに対応するほか、BMWモトラッドなどにも適合車種が増えているそうだ。

Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラーは日本の車検に適合している。安心して換装できるのは嬉しいポイントだ。輸入マフラーの場合は、仮に「Eマーク」(欧州連合指令適合品表示)を取得していても、必ずしも日本の規制を満たさないケースもある。そうしたマフラーを知らずに装着してしまえば違法改造となってしまい、当然、車検を通すことができない。その点、Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラーはトライジャが日本の試験を受け直し、JMCA認定を取得した上で販売を行っているため、安心して換装できるとのことだった。

どんな仕組みで音を変える?

Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラーはどうやって音を変えているのか。担当者によれば、「マフラーとモーター、モーターとハンドルのスイッチがつながっています。ハンドルのスイッチを押してモーターを駆動させることで、マフラー内の開閉バルブが操作できます。開閉具合によって音が変化します」との説明だった。

  • Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラー

    Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラーの構造

走行中も操作可能な開閉バルブの調整は、開閉バルブが全閉の「ドクタージキルモード」、半開の「ダイナミックモード」、全開の「ミスターハイドモード」の3段階から選べる。ドクタージキルモードでは排気音が小さくなり、ミスターハイドモードでは迫力のあるサウンドが楽しめるといった感じらしい。ジキル博士とハイド氏の性格の違いを知っている人なら、モードの名称から簡単に想像がつくはずだ。

  • Dr.ジキル & Mr.ハイドマフラー

    左がドクタージキルモード(全閉)、右がミスターハイドモード(全開)

例えば市街地ではドクタージキルモード、ツーリングで人里離れた山あいなどを走るときにはミスターハイドモードといった感じで使い分ければ、人に迷惑をかけずに、よりバイクが楽しめるというわけだ。

販売はディーラーなどを通じて行っている。価格については「ハーレーだと50万円前後が一般的です。BMWモトラッドはもう少し安くて10万円くらいから」(担当者)とのことだった。

  • BMWモトラッド「R12」のカスタムマシン「Legal Weapon R12」
  • BMWモトラッド「R12」のカスタムマシン「Legal Weapon R12」