広島県が、グルメやアクティビティを楽しむのにぴったりの"秋にいきたい広島の個性派宿"を5つ紹介している。
秋の広島観光の魅力とは
世界遺産を2つ有し、瀬戸内海に面した美しい自然や、歴史と文化に触れられる観光スポットが集結する人気観光地・広島。"日本の縮図"とも呼ばれるほど、都会と自然がバランスよく共存する地形から、都市も自然も両方楽しむことができる。
秋は広島観光のベストシーズン。10月21日には牡蠣の水揚げがスタート、11月には生牡蠣の喫食が解禁されるほか、瀬戸内海で獲れた新鮮な魚介「瀬戸内さかな」にはサザエやチダイなどが揃う。猛暑が過ぎ秋風が涼しいなか、穏やかな海と多島美を眺めながらのサイクリング旅や、そのほか海・山が近い広島だからこそのアクティビティ体験もおすすめだとか。今回は、そんな秋のひろしま滞在をさらに盛り上げる個性派宿を紹介する。
「世界で最も美しい美術館」の建築作品の中で過ごせるホテル
対岸に宮島をのぞむ海辺に2023年4月に誕生したのは、10棟のヴィラ、フレンチレストラン、美術館が一体となった今までにないアート複合施設「Simose Art Garden Villa」(広島県大竹市)。
ゲストは、2024年6月にユネスコの「世界で最も美しい美術館」に選出された下瀬美術館を囲むように建てられた、木立に囲まれた「森のヴィラ」と水盤に面した「水辺のヴィラ」にある10棟のヴィラに宿泊ができる。それぞれのヴィラは、2014年プリツカー賞受賞の建築家・坂茂氏による建築。部屋からは、瀬戸内の島々を望め、風や海を感じながらくつろぎのひとときを過ごせる。食事は、地元の幸を生かしたフランス料理を提供。白金台にあった名店OZAWAで経験を積み、長年小沢氏の右腕として活躍した久重浩氏によるもの。宮島、阿多田島、江田島といった瀬戸内の多島美と、水盤に並ぶ8色に彩られた可動展⽰室が楽しめる「望洋テラス」が宿泊者限定時間となる早朝と夜で楽しめるなど、プライベートな時間のなかアート体験が可能。
料金は1泊2日2名利用で106,000円~。(宿泊は13歳以上のみ。「家具の家」のみ10歳以上から可能)
ミシュランガイドホテルセレクションで「セレクテッド」に選出
「KIRO 広島by THE SHARE HOTELS」(広島県広島市)は、広島市の中⼼市街地にある築29年の複合ビルの一部をコンバージョンしたホテル。SHARING WITH LOCALSをコンセプトに、全国6都市9店舗で地域との共生を目指すホテルブランド「THE SHARE HOTELS」の広島店。
見どころの1つは、既存建物に残っていた屋内プールを改修したゲストラウンジ「THE POOLSIDE」。広島を拠点に全国で植栽のプロデュースを手掛ける「叢(くさむら)」がセレクトした個性的な植物や、同じく広島を拠点に世界に展開する「マルニ木工」の家具など、地元のクリエイションを感じながらクレープ料理をメインとする朝食が楽しめる。地域プレイヤーによる食やアートにまつわるイベントも数多く開催され、「tata coffee stand」では 広島各地のバリスタらが日替わりで、それぞれの個性が光るスペシャルティコーヒーなどを提供。宿泊者用のシェアキッチンもあり、長期滞在にも最適。客室はスタンダードツイン以外にファミリーや友人同士での利用に最適な3名部屋、4名部屋も。
料金は1泊2日2名利用で15,000円~(ルームタイプ・季節・曜日によって変動)。
オーシャンフロントで暮らすように過ごす1日1組だけの貸別荘
瀬戸内海に浮かぶ、広島県尾道市の小さな離島・百島にある「瀬戸内隠れ家リゾート」(広島県尾道市)。オーシャンフロントの立地にあり、アウトドアなどの自然体験が楽しめる一棟貸切の宿泊施設として人気を博している。
2023年10月、新しく「AMERI(アメリ)」がオープン。AMERIは、プライベート感のある専用の中庭、檜木で作られたジャグジーエリアを屋外に備え、1階にはアイランドキッチン、広々としたリビングルームを設置。2階には雨の日でもバーベキューを楽しむことができる専用バルコニーも。主寝室にはダブルベッドが2台あり、ゲストルームにはシングルベッドが6台用意されているほか、スキップフロアのソファやエアベッドなどのレンタル品を使用することで、最大18名様まで宿泊が可能。さらにペット同伴での滞在も可能となっている。
さまざまなアクティビティ体験も充実しており、宿泊施設の前に広がるビーチから出発するトリマランカヤック体験、瀬戸内海を水風呂にして楽しむBeach Sauna、ガイド付きで百島の海で釣った魚介類を使った料理や魚釣り体験も楽しめる瀬戸内美食倶楽部など、プライベートな空間で少人数でもファミリーでも広島の島旅を満喫できる。
料金は1泊2日4名利用(素泊まり)で「CIELA」38,000円~、「VIENA」52,000円~、「AMERI」82,000円~。
瀬戸内の海も山も満喫する古民家ステイ
「せとうち母家 Setouchi OMOYA」(広島県福山市)は、「崖の上のポニョ」のモデルとなった街として知られる鞆の浦のある福山市の山間部にある、築100年越えの大きな古民家をリデザインし誕生した1日1組限定の里山体験ができるホテル。
平屋の一軒家で、中は和モダンスタイルにリノベーションされており、キッチンはプロ仕様。またプライベートウッドデッキとお風呂からは竹林が眺められるようになっており、暮らすように里山での滞在を満喫できる。
沼隈半島(ぬまくまはんとう)でしか体験できないローカルアクティビティーも充実。"グランピングBBQ"、"花薫る生ハチミツ採蜜体験"など、ここでしかできない自然体験や、"広島人も知らない 福山の海上散歩と地産地消エクスペリエンス"といった、仙酔島をシーカヤック、さすらいの料理人zono氏による備後フィッシュの料理体験、地元のジビエやお酒を楽しむプランなど地域とつながりも感じながらの体験も用意。
料金は1泊2日2名利用(素泊まり)で48,000円~。
江田島への愛溢れるスタッフによる温泉宿
瀬戸内海・広島湾にある江田島は、多島美やサンセットなど景観の美しさとしても知られており、牡蠣・オリーブの産地としても有名。
2021年に開業した「江田島荘」(広島県江田島市)は、「こころと身体が元気になる温泉宿」をコンセプトとし、客室は全て31㎡以上のゆったりとした造りで、穏やかな瀬戸内海に面したオーシャンビュー。保温と保湿に優れた泉質の源泉掛け流しの温泉は、大浴場の他に宿泊者専用家族風呂(半露天)もあり、至福のプライベートタイムも楽しめると人気。「ホテル業界のアカデミー賞」とも称される「WorldLuxury Hotel Awards2024」では日本初受賞となる2部門を含む合計3部門を受賞した注目ホテル。
宿でのお料理は、廣松昂是シェフによる「えたじまフレンチ」。料理に使用する食材のほとんどは、四季折々の江田島の食材を生産者から直接仕入れて使用。生産者のもとを訪れ見いだした地元江田島の食材と、フレンチをベースにしたシェフの技術が新たなマリアージュを生み出している。館内には、江田島で130年以上続く、日本には2社しかない「紙布(しふ)」生産工場で織られた壁紙や館内用小物など、備品にも地産を取り入れており、江田島らしさを随所で感じられる。
料金は1泊2日2名利用(夕朝食付き)で27,600円~。
【番外編】江戸時代にタイムスリップしたラグジュアリーな滞在体験
1622(元和8)年に初代藩主水野勝成によって築かれ、江戸時代建築最後の名城と呼ばれる「福山城」(広島県福山市)。そんな福山城で、1日城主になり、城への宿泊ができる「キャッスルステイ」が2024年7月から開始。
福山駅で家臣の甲胄武士がお出迎えから滞在はスタート。ゲストは殿様⾐装に着替え、裃を着た家臣たちによる御成の掛け声とともに福山城へ入城し、月見櫓で1日城主の儀を執り⾏われるなど城主気分の演出がたっぷり。
滞在中は、お能などの伝統芸能体験など、魅⼒あふれる福山の文化体験を滞在ゲスト1組1組に合わせてアレンジ。公園内にある歴史的建造物で通常は⾮公開になっている伏見櫓が見学でき、貴重な資産も存分に満喫できる。食事は城主それぞれにアレンジした饗応料理でおもてなしするほか、天守最上階では、城主のためだけのナイトラウンジも用意。
さらに当時の城主が入浴したという「御湯殿」の入浴場が数百年ぶりに復活。江戸期を想像した浴室は、当時のようにサウナ形式。当時の城主のようにお風呂で癒やしの時を過ごせる。
料金は1泊2日4名利用時、1人あたり396,000円。(予約は大人2名からの受付)