フジテレビと持株会社のフジ・メディア・ホールディングスが10月に設立したフジ・コンシューマ・プロダクツの事業戦略発表会が7日、東京・台場の同局で行われ、今後の方針などを説明した。
フジはキャラクターを作り出すのが得意
フジ・コンシューマ・プロダクツ(FCP)は、成長分野であるIP(知的財産)事業の強化を図って10月に設立された新会社。ガチャピン・ムックやチャギントン、さらには系列局・カンテレの局キャラクター・ハチエモンを皮切りに、番組連動をこれまでよりも進め、キャラクターの事業展開を拡大していく方針だ。
石井浩二チーフエグゼクティブオフィサー(フジテレビ ビジネス推進局長)は、数々のコント番組や子ども番組を例に挙げ、「フジテレビはキャラクターを作り出すのが非常に得意な会社です」とした上で、そのライセンスビジネスをさらに広げるため、FCPを設立したと狙いを説明。
そんな中、ライセンスビジネスの専門知識を持つウォルト・ディズニー・ジャパンにいた北村彰啓氏(チーフオペレーティングオフィサー/フジテレビ ビジネス推進局エグゼクティブビジネスプロデューサー)がフジに移籍。新会社では同氏を中心に事業展開していくといい、立松嗣章マネージングディレクター(フジテレビ執行役員編成局長)は「この人物とならできる」と確信したことを語った。
ドラマの女優がキャラクターのTシャツを着ることも
北村氏は、“徹底的な攻めのクリエイティブ”を進め、世の中のトレンドを意識したスタイルガイド(キャラクターのガイドライン)を年間50本以上を開発すると宣言。さらに、「フジテレビには伸びしろしかないと思っています。前職で一番欲しかったのは、メディアでの露出でした。この機会を活用すれば、必ずビジネスは伸びると信じて疑っておりません」と力説する。
この点について、フジ編成局長の立松氏は「現在、夕方のニュース『イット!』でガチャピンはお天気キャラクターとして頑張ってもらっています。このようにいかに番組連動していくかが、この会社の最大の強みだと思いますので、ほかにもバラエティや、場合によってはドラマの中の女優さんにTシャツを着てもらう、帽子をかぶってもらうということも大いにやっていきたい」と、強力にバックアップしていく姿勢を示した。
石井氏は、新会社のテーマを「心を耕す」に設定。制作者時代は『笑っていいとも!』『ココリコミラクルタイプ』『それでも、生きてゆく』『若者たち2014』『ウゴウゴルーガ』といった番組でプロデューサーを務めてきたが、「当時から変わらない自分の中でぶれないものが“CULTURE”です。日本語では“文化”と訳されていますが、“耕す”が語源で、この番組は誰の心耕すものなのかというのを考えて制作をしてきました」とした上で、「FCPでは、商品やイベント、サービスにおいて、お客様の心を耕すということを大切にしていきたい」と強調している。