女優の桜田ひよりが主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『あの子の子ども』(毎週火曜23:00~)第11話が10日に放送され、主人公・福(桜田)の妊娠をめぐる教師たちの意見にSNSで反響が寄せられている。(本記事には、第11話のネタバレ、最終話の予告が含まれます)

  • 『あの子の子ども』第11話より=カンテレ提供

■桜田ひより×細田佳央太『あの子の子ども』

第47回講談社漫画賞・少女部門(23年度)を受賞した蒼井まもる氏の同名少女漫画を原作とし、“高校生の妊娠”をテーマに、妊娠が発覚したことで日常がガラリと変わってしまった高校2年生カップルの姿を描いた今作。桜田が主人公の川上福を、細田佳央太が福の幼なじみで恋人の宝を演じる。脚本は蛭田直美氏、チーフ監督はアベラヒデノブ氏が務めている。無料見逃し配信(TVer、カンテレドーガ)の1週間の再生回数は、すべての話数で130万再生を突破。27日放送の第9話も134万回再生を超えている。

■第10話では、福が担任に妊娠報告

第10話のラストでは、福(桜田ひより)が担任の沖田(橋本淳)に妊娠の報告を。教え子の突然の報告に、沖田は驚きのあまり言葉を失うが、このまま高校を卒業したいという福の思いに「頑張ったんだな」と涙を流す。保健室の養護教諭足立(菊池亜希子)も福に寄り添うが、生活指導の山田(松角洋平)は、福が学校に残ることに猛反対。自主退学、停学、定時制か通信制に転学の3つしか選択肢がないという。

反発する沖田を「周りの目から守れるのか、川上を」と一蹴する山田。私は何を言われても大丈夫だと覚悟を見せる福だが、山田は、向けられるのは悪意だけではないと語りかける。高校生の妊娠を美化して憧れて、羨ましく思って真似する生徒が出てくるかもしれない。福は親や相手に恵まれたが、皆そうではない。福の存在が学校内の誰かを地獄に引きずり込むかもしれない。さらに、生徒の妊娠を推奨している学校だという噂が広まれば、ほかの生徒の進路にも影響が出るかもしれない、と。

自分の想像が及んでいなかったことを思い知らされた福は絶句。山田は「子どもはまたできるんだから、望まれたタイミングで」と決断を促すが、「子どもがまたそんなに簡単にできるとは限らない、簡単に言っていい言葉じゃない」と今度は足立が福を守る。最後に、誰にも話すなと告げられた福は、親友の矢沢(茅島みずき)を思い浮かべ「信頼できる大事な友達にだけは」と食い下がるが、大事な友だちならなおさら巻き込むなと言われて口をつぐんでしまう。

時間をかけて話し合うべきだと訴える沖田だが、「流暢なことを言ってる間に、うわさが広まったらぼこぼこにされるぞ」と山田。「俺はこんなことをするために教師になったわけじゃない……」とつぶやく沖田に、「生徒は教師の自己実現のための道具ではないからね」と冷静に告げる。

■山田の言葉に納得の声「正しいと思う」

厳しくも説得力のある生活指導・山田の言葉に、SNSでは「山田先生の言ってることは正しいと思う 妊娠して普通に卒業は難しいと思う 他の子よりもかなり優遇してもらわないと無理だもん。不平等だって言われる」「1番その通りだって思う…高校生で子供産むとなると他の子と同じように卒業は無理」「高校生の妊娠を作品で美化して欲しくなかったから、この台詞を聴いて安心した」と納得の声が。

また、「生活指導の先生が頭ごなしじゃなく いろんな側面で 悪い方だけど1番現実的で確かな言葉が信用できる人柄に思えた 担任と保健の先生は理想論だけど優しい」「先生3人、みんな福のことを思ってるし、どの意見も間違ってない」「先生が結構良い人たちで良かった。反対してる先生も、自分の嫌悪感じゃなく、他の生徒や本人のことを考えての言葉。厳しいけど、産まない選択も忘れちゃいけない」と、3人の先生をそれぞれに評価する投稿も見られた。

11話のラストには、矢沢のスマホを使って、飯田から福へ着信が。「SNS見ないほうがいいかも、コメント来てても開かないで」と言われた福だが、つい気になって開くと、止まらないほどのコメントやフォローの通知が。慌ててアカウントを削除するが、すでに何者かの手によって福が妊娠したことが拡散されていた。翌日、福が学校に行くと、机の上に「避妊してね」と書かれた共に避妊具が置かれていて……。

第11話は、現在TVerで配信中。

■最終回では、父が両家を集める

来週、17日には最終回が放送される。衝動的に教室を飛び出した福は、鉢合わせた矢沢にも目をそらされ、メッセージをブロックされたこととあわせて、大好きな親友に軽蔑されたのだと悲しさがこみ上げる。それを聞いた足立は福に寄り添うように、ある話をする。一方、騒ぎの発端となったSNSの投稿が同じクラスの生徒によるものだと知った沖田もまた、担任としてショックを隠し切れない。そんななか、前回の話し合い以来、沈黙を貫いていた慶(野間口徹)が再び両家を集め、今後の福と宝についてあることを提案する。

高校2年生のある日、妊娠が発覚したことで日常が大きく変わった福と宝。“なかったこと”にはできない現実を前に、必死に考え、悩み、動き、闘った2人に、家族や友人、学校はどんな答えを出すのか。そして、福と宝の未来に待っているものとは。