第47回講談社漫画賞・少女部門(23年度)を受賞した蒼井まもる氏の同名少女漫画を実写化したドラマ『あの子の子ども』(カンテレ・フジテレビ系毎週火曜23:00~)は、“高校生の妊娠”をテーマに、妊娠が発覚したことで日常がガラリと変わってしまった高校2年生カップルの姿を描く作品。桜田ひより演じる主人公の福(さち)を心から大切にしているのが、細田佳央太演じる、幼なじみで恋人の宝。SNSでは、その誠実で優しいキャラクターに「本当に素敵な彼氏」「優しすぎる」「宝みたいな男の子と出会いたい」と好感を持つ声がSNSで多数投稿されている。
きょう16日放送の第4話では、妊娠検査薬の結果にがく然としながらも、宝に伝えるべきか迷う福の姿が描かれる。しかし宝から「話したいことがある」とメッセージが届いて……。そんな展開を演じたことを「苦しかった」と振り返る細田に、今作の見どころや桜田の印象、そして理想の大人、理想の役者について話を聞いた。
宝役はナチュラルな芝居と人間味を大事に
――今作の出演が決まったときの心境を教えてください。
最初にお話をいただいたときは、やはり不安がありました。今まで自分が経験したことのない役であることはもちろん、第1話から恋人の状態で始まるラブストーリーも初めてだったので、大丈夫かなと。でも大切な作品を任せていただいたことはとてもありがたく、全力で応えなければという思いでした。
――オファーを受けたときに、「こんな宝を演じてほしい」とプロデューサーや監督から要望はありましたか。
まず、作られたお芝居ではなく、ナチュラルで自然体のお芝居をしてほしいということ。そして、宝はすごくかっこよくて、ある種、隙がない男の子なんですけど、予期せぬ出来事に直面したときの焦りや迷い、不安、葛藤を表現して、人間味を出してほしいということ、この2つは最初に言われました。
――細田さんから見た、宝というキャラクターの印象を教えてください。
宝はシングルマザーに育てられているのですが、僕も似たような環境で育ってきたので、この境遇ならではの自立の速さには納得できるものがありました。だから、表向きは宝が福さんを引っ張っているように見えるんですけど、福さんが持つ強さもあって、宝も無意識のうちに引っ張ってもらっていると思うんですよね。宝が福さんに向ける尊敬の念や愛情表現はとてもかっこよくて、今も、宝の頼もしさをどう表現しようかと向き合い続ける毎日です。
桜田ひよりへの尊敬の念が日々強く
――最初から両思いの恋人を演じるのが初めてとのことでしたが、二人の空気はどう作っていきましたか。
桜田さんが本読みの前に、監督、プロデューサーさん、僕と4人の食事会をセッティングしてくださって。その時間のほかにも、ポスター撮りや取材でお会いできたので、クランクインのとき、監督に「いい雰囲気ですね」と言っていただけました。桜田さんのおかげです。
――座長の素敵なアイデアですね。
すごいですよね。年齢的には年下ですが、芸歴も長くて経験値もたくさんお持ちなので、年下だと思ったことはありません。日々勉強させていただくことが多くて、尊敬の気持ちが強くなっていく一方です。
――桜田さん演じる福にはどんな印象を持ちましたか。
桜田さんと福さんが持っている強さや柔らかさがリンクして、桜田さんが演じるからこその福さんになっている印象です。自然体で演じられる姿を見ていると、この『あの子の子ども』は、桜田さん以外の福さんは絶対に考えられないなと感じています。
――そして、宝の母親・直実役は美村里江さんが演じられます。
まだ一回しか撮影していないのですが、役についてすごく論理的に、深く、細かいところまで考える役者さんなんだと感じています。美村さんにもたくさんたくさん勉強させていただいているので、今後の重いシーンの撮影にはプレッシャーを感じますが、直実さんのどんな表情が見られるんだろうと今から楽しみです。