9月10日、サントリー「金麦」から"秋"をコンセプトにした限定商品「金麦<帰り道の金木犀>」が発売された。<帰り道の金木犀>は醸造家とともに“秋の思い出”を造った新しいコンセプトの商品だという。さっそく試してみたい。
従来の秋商品とは異なる「季節に感じた思い出」がコンセプト
サントリーの「金麦」は、麦のうまみと澄んだ後味を実現した大定番の発泡酒だ。そのバランスの取れた味わいゆえに、常飲酒として楽しんでいる方も多いだろう。
シーズンごとに限定商品も展開されており、さまざまな楽しみ方ができる「金麦」だが、この秋、新しいコンセプトの商品が発売された。それが「金麦<帰り道の金木犀>」(350ml缶/500ml缶)だ。
これまでの秋の限定商品は、日本の秋を象徴する“もみじ”などをモチーフにし、デザインも紅葉の赤を基調としていた。だが、現在の日本の秋はまだまだ残暑が厳しい。そこで醸造家とともに、従来の季節限定商品とは異なる「季節に感じた思い出」をコンセプトにした商品を開発したという。
サントリーが「いつもの『金麦』とは違う味わい」と語る「金麦<帰り道の金木犀>」。さっそく飲み比べてみたい。
「金麦」と「金麦<帰り道の金木犀>」を飲み比べ
それでは、両製品を開封していこう。まずは「金麦」から。お馴染みのブルーに小麦色というデザインの缶からグラスに注ぐと、ビールらしい金色の液体をきめ細やかな泡が包んでいく。毎日飲みたくなる、いつもの「金麦」だ。
一方、「金麦<帰り道の金木犀>」の缶デザインは、秋の夕暮れ空に金木犀がモチーフ。この夕暮れの色がなんとも絶妙で、湿気の多い夏の茜色が余韻として残っている、現代の夏っぽい。商品名にも表れているが、「夕暮れの帰り道に金木犀が香る」という秋のワンシーンをイメージしているという。
グラスに注ぐと、その中身は「金麦」と比べていくらか褐色だ。サントリーは「金麦<帰り道の金木犀>」を"アンバーエールタイプ"と説明しているが、確かに色からアンバーエールに近い。この色もまた、"秋"というコンセプトのひとつなのだろう。
「金麦<帰り道の金木犀>」は香りも特徴的だ。ロースト感とフルーティーさを感じるふわっとした甘い香りは、アロマホップを使用し、上面発酵酵母を用いて醸造することで実現したものだという。
褐色の液体を口に含むと、苦みとともに麦の甘みをしっかりと感じる。なるほど、確かにアンバーエールっぽいが、アンバーエールほどカラメルっぽさが強くもなく、慣れていない人でも楽しみやすい味わいだ。「金麦」と言えば澄んだ後味だが、こちらはしっかりとしたコクと余韻がじんわりと残る。
食事と合わせるなら、大定番は秋鮭だろうか。キノコ類やナッツ類との相性も良さそうだ。食後なら、焼き栗や焼き芋を楽しみつつ飲むのも良いかもしれない。
個人的に「金麦」は、キンキンに冷やして仕事を終えた後に爽快感を味わうという飲み方をしている。だがこの「金麦<帰り道の金木犀>」は、秋の夜長とともにゆったりと楽しみたい一本だと感じた。
発泡酒から季節を感じる
日本の季節感が変化していく中で、ビールを味わうシーンも変わってきていると思う。昨今の夏は暑すぎて、屋外のビアガーデンはすでに辛さすら感じる。秋を感じられるタイミングも減ってきているなかで、お酒で季節を感じようというのはなかなか粋な取り組みだと思う。
今回は「夕暮れの帰り道に金木犀が香る」という秋のイメージだが、サントリーは冬の限定商品も販売予定だという。それまでは本当の秋の到来を待ちつつ、思い出の中の“秋”とともに「金麦<帰り道の金木犀>」を楽しんではいかがだろうか。