個人全体の注目度ランキングでは、NHKのドキュメンタリー番組が1・2位を獲得したが、コア視聴層と呼ばれる13~49歳の男女から高い支持を得たのは、アスリート本人が出演するトークバラエティ番組だった。

これらの番組では、アスリートのストイックな一面だけでなく、ユーモアや人間味あふれる素顔、普段は見られない一面にもスポットライトが当てられた。

MCを芸人が務め、リラックスした雰囲気で笑いを交えながら話を引き出すことで、競技中の緊張感とは異なるアスリートの等身大の姿が映し出され、多くの視聴者を楽しませたようだ。特に男性の視聴者の注目度が高めだったのも、トークバラエティ番組ならではの傾向かもしれない。

では、アスリートが多数出演したトークバラエティの中で、最も視聴者が注目したシーンに出演していたアスリートは誰だったのか。『サンドのパリ五輪総集編メダリストが最速大集合!』(テレビ朝日)、『くりぃむしちゅーの!THEレジェンドSP』(日本テレビ)、『生ジャンクSPORTS浜田も緊急ノープラン渡仏SP』(フジテレビ)の3番組について、毎分別視聴データからそれぞれ注目度が高かったシーントップ3を特定してみた。

  • トークバラエティでの高注目度アスリートランキング

結果、3番組の中で最も高い注目度を獲得したシーンは『くりぃむしちゅーの!THEレジェンドSP』の21時57分~58分。出演していたのは「初老ジャパン」という愛称で親しまれた総合馬術団体のメンバーたちだった。

平均年齢41.5歳、最高齢48歳という異色のメンバーが、92年ぶりに銅メダルを獲得した総合馬術チーム。彼らが自らを「初老ジャパン」と名付けたエピソードは、多くの視聴者の興味をひいた。年齢を重ねてなお挑戦し続ける姿勢と、自虐的なユーモアが、幅広い世代の共感を呼んだのだろう。

『生ジャンクSPORTS』でウルフ アロンにくぎづけ

また、目を引くのは柔道のウルフ アロン選手の注目度の高さ。特に『生ジャンクSPORTS』では注目度上位3つのシーンすべてにウルフ選手が登場していた。親しみやすいキャラクターとタレントに負けないトーク力が視聴者をくぎづけにしたのだろう。ウルフ選手を中心に、柔道日本代表チームの仲の良さがうかがえ、その結果『生ジャンク』では上位3つのシーンすべてが柔道メンバーにまつわるトークだった。

視聴者は、こうした番組を通じてアスリートの人間的な魅力に触れ、競技への理解と感動をさらに深めることができる。パリ五輪という熱狂が終わった後も、これらのトーク番組を通じてアスリートの新たな一面を楽しむ機会が増えることで、スポーツを身近に感じ、引き続き関心を持つきっかけとなるはずだ。