「特定小型原動機付自転車」は2023年7月の道路交通法改正によって生まれた新たなカテゴリー。免許が不要で16歳以上であれば誰でも乗れる手軽さから、存在感は増す一方だ。
そうしたなか、電動モビリティメーカーのブレイズはMakuake(マクアケ)で新たな電動小型原付「スマートEV特定原付モデル」の先行販売を始めた。いったいどんな乗り物に仕上がっているのか、実物を確認してきた。
見た目は「スマートEV」にうりふたつ
ブレイズは2017年に電動バイク「スマートEV」で市場参入して以来、四輪やキックボードなどさまざまなタイプの電動モビリティを投入してきた。現在は全国に700を超える販売拠点を展開。まさに、電動モビリティのパイオニア的存在と言える。
そんなブレイズが送り出す「スマートEV特定原付モデル」は、ロングセラーモデル「スマートEV」の特定小型原付バージョンだ。
車両サイズは全長1,230mm×全幅600mm×全高1,000mm。「スマートEV」は全長1,200mm、全幅650mm、全高950mmなので、外観はデザインも含めてほぼ同一だ。主要諸元を見ても、航続距離は約30km、バッテリーを含む総重量は約20kgで「スマートEV」と変わらない。
大きく異なるのが速度に関する項目だ。
特定小型原付は最大速度が20km/hまでと定められている。そのため、電動バイクである「スマートEV」の最高速度が30km/hであるのに対し、「スマートEV特定原付モデル」は20km/hに抑えられている。また、歩道走行に対応するため、最高速度が6km/hと20km/hの2つのモードを搭載しているところもスマートEVとの大きな違いだ。
ただ、違いといえば本当にそれくらいで、実際に試してみた感じも、過去に乗った「スマートEV」同様、電動アシスト自転車感覚で乗れるという印象だった。
「スマートEV特定原付モデル」の勝算は?
特定小型原付といえば電動キックボードのイメージが強いが、「スマートEV特定原付モデル」の強みはどこにあるのだろうか。ブレイズ代表取締役の市川秀幸さんに聞いてみたところ、大きく2つのポイントがあるという。
まずひとつが、キックボードタイプと違い、着座二輪タイプの特定小型原付はほとんどないということ。キックボードタイプは立ち乗りが基本となるため、長時間の走行となると疲労が心配だが、座って乗れる「スマートEV特定原付モデル」であれば負担は減る。
もうひとつが、7年にわたるロングセラー製品である「スマートEV」がベースになっていること。つまり、すでに市場で受け入れられているデザイン性、機能性を踏襲しているところが、他社製品にはないアドバンテージだと考えているわけだ。
そんな「スマートEV特定原付モデル」の一般販売価格は23.958万円だが、マクアケの先行販売ではお得に入手できる。ただし台数限定で、割引率の高いものからなくなっていく仕組みとなっているので、興味のある人は急いでチェックした方がいいかもしれない。