日産自動車は日本旅行やJR各社などと共同で「GREEN JOURNEY」(グリーンジャーニー)推進委員会を発足させた。CO2排出量の削減につながる新たな旅のスタイル「グリーンジャーニー」を普及させていきたいとのことだが、そもそもどんな取り組みなのだろうか。

  • グリーンジャーニー推進委員会発足発表会

    日産らが推進する「グリーンジャーニー」って何?

国内旅行のCO2排出をゼロに!

旅行・観光産業は世界のCO2排出量の約1割以上を占めているのが現状。CO2の大部分は旅行者の「移動」から発生しているそうだ。世界的には「サステナブルツーリズム」への注目も高まっているという。

  • グリーンジャーニー推進委員会発足発表会

    「グリーンジャーニー推進委員会」の発起人は日産と日本旅行。ここに北海道旅客鉄道、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道、四国旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道のJR各社や株式会社地球の歩き方などが参加する。写真は「グリーンジャーニー推進委員会」発足発表会で撮影。左は日産 常務執行役員の神田昌明さん、右は日本旅行 代表取締役社長の小谷野悦光さん

日産らは日本人旅行者の国内旅行におけるCO2排出量削減などを目指してグリーンジャーニーの普及・発展に注力していく。具体的には電気自動車(EV)レンタカーを活用した移動やサステナブルなグルメ、環境に優しいアクティビティなどを旅行者に提案する。2024年8月20日には新たに企画したツアー「GREEN JOURNEY熊本阿蘇」「GREEN JOURNEY伊勢志摩」を日本旅行が発売した。JR各社はグリーンジャーニーのエリア拡大などをサポートする。

  • グリーンジャーニー推進委員会発足発表会

    日産のEV「リーフ」。阿蘇と伊勢志摩のツアーではリーフあるいは軽EV「サクラ」のレンタカーが利用できるそうだ

  • グリーンジャーニーのLINEミニアプリ

    LINEで「GREEN JOURNEY」を友だち登録すると、LINE画面下にミニアプリが立ち上がる。ここではEVの充電施設を探したり、旅の目的地でQRコードを読み取って集めるスタンプラリーが楽しめたりする。スタンプを貯めると地元の名産品などのプレゼントキャンペーンに応募できるそうだ

グリーンジャーニー推進委員会では今後、一次交通事業者や再生可能エネルギー事業者など多種多様な企業・団体に賛同を募り、グリーンジャーニーを進化させていく方針。2033年までには全国200エリアに旅先を拡大、のべ利用者数で1,000万人以上を狙う。最終的には2050年までに国内旅行におけるCO2排出ネットゼロを目指す。

発表会で話を聞いた日産の担当者によると、同社としてはレンタカーの利用などを通じてEV体験の拡大を図りたいようだ。仮にEVレンタカーを利用してもらえなかったとしても、グリーンジャーニーに参加した旅行者のサステナビリティについての理解が深まれば、次に自家用車を乗り替える際にはEVが選択肢に入るかもしれない。そんな思いもあるようだった。