俳優とプロ雀士の顔を持つ萩原聖人。今年はドラマ『牙狼〈GARO〉ハガネを継ぐ者』(TOKYO MX・BS日テレ)で特撮ものに初挑戦したが、今度はなんと“ウルトラマン”になった。

“ウルトラマンシリーズ”の新作『ウルトラマンアーク』(テレ東系列 毎週土曜9:00~)で主人公・飛世ユウマの父を演じるとともに、ウルトラマンアークの声も担当。長年にわたって俳優業とプロ雀士の二足のわらじを履き、そのいずれでも活躍を続ける萩原に、俳優業とプロ雀士に取り組む姿勢に共通することはあるか聞いてみた。

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    萩原聖人 撮影:望月ふみ

俳優・プロ雀士の萩原聖人、面白さは『ウルトラマンアーク』とも共通

――萩原さんは、俳優としてはもちろん、プロの麻雀士としても活躍されています。取り組む姿勢に共通することはありますか?

今回の『ウルトラマンアーク』のテーマじゃないですけど、“想像”ですね。僕は想像することが大好きなんです。ただ僕ら俳優は、すべてをゼロから作り上げるということはほぼないんです。最初に台本という設計図をいただいて、自分の役を想像して作っていく。

麻雀も、最初に配られた牌(パイ)から、この局をどうしようかと想像していく。どちらもすごく自由なのですが、完全なフリーでは成立しない。現実を前に、想像したものを消していく作業もたくさんある。試行錯誤。『ウルトラマンアーク』でもこの1話のなかで何ができるのか。その面白さが近いかなと思います。

――今回、主人公を鼓舞する役でもあります。萩原さんが自分を鼓舞するときはどんな言葉を?

僕は弱いので、自分で自分を鼓舞するのはあまりできないんです。1人で生きていないことを、いつも痛感させられています。そうしたなかでも、たとえば「Mリーグ(競技麻雀のプロリーグ)で僕が打つことを楽しみにしている」といったことを聞くとすごく嬉しいです。分かりやすいのは褒められること。

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――なるほど。

僕は何年後にこうなりたいとか、こういう仕事がしたいとか、そういうのがあまりなくて。いい意味で場当たり的なところがあって、その瞬間瞬間の現実、現状の中で何ができるのか、想像力を解き放って生きています。そうした中、お芝居だったら「すごくよかった」と言われたり、麻雀だったら勝ったときに喜んでくれたりする姿に鼓舞されますね。

■萩原聖人
神奈川県出身。1987年に俳優デビュー。ドラマ、映画、舞台、ナレーションなどで幅広く活躍する。プロ雀士としての実績も高い。1990年のドラマ『はいすくーる落書き2』で注目を集める。その後もドラマ『夏子の酒』『若者のすべて』(94年)などで人気者に。映画『マークスの山』(95年)、『CURE』(97年)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞ほかを受賞。近年のおもな出演作に映画『Fukushima 50』(20年)、『島守の塔』『今夜、世界からこの恋が消えても』『餓鬼が笑う』(22年)、『スパイスより愛を込めて。』『君は放課後インソムニア』(23年)などがある。