西日本鉄道は、天神大牟田線における駅集中管理方式の対象駅を拡大するとともに、貝塚線の一部駅にも駅集中管理方式を導入し、10月1日から試行運用を開始すると発表した。

  • 西鉄貝塚線の駅にも駅集中管理方式が導入される

デジタル技術を活用した駅集中管理方式は2021年4月から導入。現在は天神大牟田線(甘木線・太宰府線含む)の全63駅中34駅で、安全と利便性を維持しながら運用している。運輸業界において、今後さらなる要員不足が懸念されることから、持続可能な輸送サービスを提供するため、対象駅の拡大を決定したという。

新たに対象となる駅は、天神大牟田線の都府楼前駅、紫駅、五条駅と、貝塚線の名島駅、唐の原駅、和白駅、三苫駅、西鉄新宮駅。10月1日から試行運用を開始し、来年4月1日から本格運用の開始を予定している。駅集中管理方式を新たに導入する天神大牟田線の3駅と貝塚線の5駅に監視カメラを設置するほか、乗越し精算および定期乗車券・障がい者割引乗車券販売等の駅窓口業務を遠隔で行うシステム機器を導入する。

利用者の安全性を確保するため、ホーム上に非常通報ボタンと列車接近案内放送装置・電光掲示板も設置。貝塚線への導入にあたり、駅集中管理方式の中枢を担う「貝塚サポートセンター」を貝塚電車営業所内に新設する。大型モニター設置のサポートセンターで、専属係員が各駅設置のインターホンを通じて利用者からの問い合わせ対応を行うほか、監視カメラを通じて改札付近の状況確認とホームの安全確認を実施する。

各駅の利用状況に応じて駅係員を一定時間配置し、利用者対応に加え、施設管理・清掃等を行う定期巡回も実施する。配置時間は各駅の実情を踏まえ、利用状況等に応じて随時変更するとのこと。定期巡回以外にも、介助の必要な乗客の乗降を手伝い、急病の利用者への対応を行うほか、不定期の巡回も実施するとしている。