京都鉄道博物館は、開業30周年を迎える智頭急行の「スーパーはくと名探偵コナン号」を7月12~16日に特別展示する。「鳥取県夏休み誘客促進記念セレモニー」が行われた7月12日、「スーパーはくと名探偵コナン号」の入線シーンも公開された。
智頭急行は鳥取県などの沿線自治体が出資する第三セクター鉄道であり、1994年に上郡~智頭間が開業。智頭急行を経由する特急「スーパーはくと」も同時に運行開始し、京阪神~鳥取間の所要時間が大幅に短縮された。現在も「スーパーはくと」は京都・大阪~鳥取・倉吉間で運行され、両地域にとって欠かせない特急列車となっている。智頭急行では、岡山~鳥取間を結ぶ特急「スーパーいなば」も運行されている。
京都鉄道博物館は7月12~16日、「智頭急行開業30周年記念『鳥鐵の旅』~京阪神から鳥取・倉吉へ~」を開催。初日の7月12日、本館1階「車両のしくみ / 車両工場」エリアにて、智頭急行が保有するHOT7000系「スーパーはくと名探偵コナン号」のうち、1・4・5号車が展示された。
「スーパーはくと名探偵コナン号」は、漫画『名探偵コナン』の作者である青山剛昌氏の出身地が鳥取県であることにちなみ、2023年12月から運行開始しているラッピング列車。「鳥取県夏休み誘客促進記念セレモニー」で挨拶した鳥取県知事・智頭急行取締役会長の平井伸治氏は、「スーパーはくと名探偵コナン号」について「青山剛昌先生は鳥取県出身ですから、いろいろお願いしたら、ミステリアスな列車に仕上がりました」と紹介した。
挨拶の後、「スーパーはくと名探偵コナン号」の1両が自走で入線した。京都鉄道博物館によると、公開という形での自走の入線は今回が初だという。館内にHOT7000系のディーゼルエンジン音が響き渡った。
4・5号車の展示では、4号車の振り子機能を作動させ、車体が傾いていた。車内もグリーン席部分を除き、『名探偵コナン』のラッピングが施されていた。
ところで、特急「スーパーはくと」は2024年3月のダイヤ改正で1日の運行本数を7往復から8往復に増便。8往復のうち6往復を大阪駅発着、2往復を京都駅発着で運転している。ダイヤ改正後の増便に関して、智頭急行は「スーパーはくと」の利便性向上を強調しつつも、保有車両数の関係からこれ以上の増便は難しいとしている。
「スーパーはくと名探偵コナン号」の特別展示は7月16日まで。7月13~15日に本館1階「車両のしくみ / 車両工場」エリアで智頭急行・鳥鐵の旅PRをはじめ、智頭急行、沿線の三朝町、京都鉄道博物館の各公式キャラクターによるグリーティングなども実施を予定している。