ミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の初日前会見が19日に東京・帝国劇場で行われ、望海風斗/平原綾香、井上芳雄/甲斐翔真、橋本さとし/松村雄基、伊礼彼方/Kが登場した。

平原綾香

同作はバズ・ラーマン監督による同名映画のミュージカル化作。2019年7月にブロードウェイで上演され、世界中でヒットしている。1899年のパリで激しい恋に落ちたアメリカ人作曲家クリスチャン(井上芳雄/甲斐翔真)と、ナイトクラブ ムーラン・ルージュの花形スター サティーン(望海風斗/平原綾香)の恋の物語を描く。2022年に日本初上演され、今回が再演となる。

■『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』平原綾香が海外と日本の違い語る

平原は「初日も開けてないんですけれども、『もう来年はないんだな』という寂しさが強くて。去年は『来年があるから』と思ってたんですけど」とすでに終わりを寂しがる。「去年はオーストラリアの公演を観に行くことができて、今年の4月後半からはニューヨークの『ムーラン・ルージュ!』を観に行ったんですね。2回観に行ったんですけど、ニューヨークの良さ、オーストラリアの良さもありつつ、日本の良さもあるんだなと。海外作品を日本版にリメイクしてというだけじゃなくて、ちゃんと日本でやるための、日本だけの演出もある。演出の方、歌唱指導の方、海外チームが、本当にギリギリまで細かく日本だけの演出をしてくださっているので、 今年はまた来年とは違う、さらに日本だけの公演ができるような気がして、とても楽しみにしています」と期待した。

海外公演と日本公演の違いとして「オーストラリアとニューヨークはお客さんのノリが、劇に参加してるような。例えば誰かがちょっといけないことを言ったら『ああ〜』って言ったり」と明かす。「でも、実はそれってとても合っていて。実はこの『ムーラン・ルージュ!』という演目自体が、サティーンが亡くなった後に、クリスチャンが作った劇を上演している。最後、クリスチャンが気持ちを胸にぱっと顔を上げた時に『また2人の物語ができたよ』と言って、サティーンが降りるという演出なので、実は観客はクリスチャンが作った劇を観に行っている。だから、お客さんも出演者の1人なんですね。お客さん参加型というのは、特に海外公演を観ていたら感じました」と違いも。「でも、日本も最高に盛り上がっているので、ぜひ参加していただけたらと思います」と呼びかけた。

伊礼も「お客さんが入った途端に歓声がたくさん聞こえてきたのは非常に嬉しく、なかなか日本のミュージカルで声を上げるということはないんですよね。僕は前々からもっと声を上げてもいいんじゃないか、と」と語る。「ちなみに僕は客席にいると、『ヒュー!』『ハー!』と声を上げるんですけど、大体みんなシーンと白い目で見るんです。お金を払ったからには別に 自由に見ていいんじゃないかという僕はシステムでいつも生きてるんですけど。そういう意味では、この作品が日本に上陸したことによって、新しいミュージカルの観劇の仕方が根付いていけばいいなと思う」と盛り上がりに期待。Kも「自分の中でのミュージカルのイメージが変わったんですよね。ミュージカルというか、ロックコンサートのようなお客さんのノリだったり、 音響のデカさだったり、アレンジだったり、そういうものも楽しめる部分がある」と太鼓判を押した。

東京公演は帝国劇場にて6月20日~8月7日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて9月14日~9月28日。

※舞台写真は『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部