この記事を目にしたあなたは、今まで何らかの形で英語学習に取り組んだ経験があると思います。高校受験や大学受験のための英語学習に多くの時間を費やしたのではないでしょうか。また、就職のためにTOEICに向けた英語学習をしたり、留学を目的としたTOEFLなどの英語学習をしたりする人も多くいると思います。

このように、多くの日本人が英語学習に長い時間を割いている中で、効率よく英語力を伸ばせる人と、思うように英語力を伸ばせない人がいます。

  • 英語力が伸びる人・伸びない人のたった1つの違い

英語力が伸びる人と伸びない人の違いはどこにあるのでしょうか? もちろん、いくつかの要素がありますが、20年以上公立高校の英語教員として、また、現在では250名在籍の英語教室の代表として、英語を教え続けてきた立場から一つあげるとすれば、英語力が伸びる人は「モチベーションを保つのがうまい」という結論に行きつきます。

では、どのようにすれば英語学習のモチベーションを保てるのでしょうか? ここではその具体例を紹介していきます。

1. テストを受ける

はじめに、中学・高校時のことを思い出してください。最も学習モチベーションが上がったのはいつですか? 眠くなっても夜遅くまで勉強した人もいると思います。その徹夜勉強はいつしましたか?

ほとんどの人の答えは「テスト前」になると思います。また、テスト2週間前よりもテスト3日前、さらには前日の方が、より学習モチベーションが上がったと思います。テストというのは学習モチベーションを大いに高めてくれます。また、英語力を数値化してくれるので、自分の英語学習の進捗(しんちょく)状況が分かります。この数値化もモチベーションアップにつながるのです。

ここで大切になるのは、社会人の場合、テストを自分で申し込まなければならないという点です。学生の場合は、学校がテスト期間を年単位で設定してくれます。つまり、学生であれば、英語学習のモチベーションを上げるテストを学校が準備してくれるのです。中間テストや期末テスト、場合によっては、夏休みや冬休み明けにテストが行われます。文字通り「テスト漬け」の毎日を送ることができます。

一方、社会人は自分でテスト日程を調べて申し込む必要があります。人によっては勉強だけしていれば必要ないと感じるかもしれません。しかし、社会人にとっても、テスト受験は英語学習モチベーションを保つ上で必須であることは間違いないでしょう。

2. 学習仲間を作る

一人で英語学習を続けるのは孤独に感じることもあり、刺激が不足してモチベーションが下がってしまうことがあります。

そんなとき「学習仲間」の存在に励まされ、モチベーションを維持できるケースもよく見られます。英語学習は基本的に一人で行うものですが、お互いに刺激を与え合える、同じ目標に向けて頑張っている学習仲間の存在は大切です。

時には、学習仲間と一緒に学習することで、互いに励まし合い、競い合うことができ、モチベーションの維持に役立ちます。最近では、SNSなどを通して、オンライン上での学習コミュニティなども多くあるようです。

ここで気をつけなければならないのが、学習仲間の「本気度」です。よくカフェなどで、隣に座っておしゃべりをしながら勉強している人たちがいますが、これは学習仲間とはいいません。

学習仲間とは自分に学習モチベーションを上げる刺激を与えてくれる人たちです。ですので、学習仲間の学習分野は英語でなくてもいいのかもしれません。英語はもちろんのこと、税理士や宅建など何かに向けて勉強している、学習に対して本気になっている仲間を作ることが大切です。

3. 英語学習をポジティブに考える

英語学習に対してポジティブな気持ちを持つことは重要です。特に学習の進捗(しんちょく)が思うように行かず、ネガティブな気持ちになった場合には、やみくもに学習を続けるのではなく、一度立ち止まって自分の学習状況を見直すことが大切です。

何がうまく進んでいなかったのかを分析し、どのように改善するかを考えることが必要。こうすることで、学習内容が整理でき、英語学習につまずきながらも新たな可能性を見出すことができ、もう一度やる気になるケースも多々あります。

また、英語そのものを楽しむことも忘れてはいけません。大半の英語学習者の目的は、英語を「使う」ことにあるはずです。実際に英語を使う機会を増やすことがモチベーションの維持につながります。

例えば、外国人観光客と簡単な会話をする機会を持つだけでも、「英語をやっていてよかった」と感じるはずです。最近では、オンラインでの交流イベントも頻繁にあるほか、私の周りでは、英語でブログや日記を書くことで英語を楽しんでいる人もいます。

いずれにしても、実際に英語を使うことで、自分の英語力がどれだけ通用するかを実感し、そのことが英語学習のモチベーションを上げることにつながるでしょう。