1980年に『お笑いスター誕生』(日本テレビ)でデビューしてから約44年、数々のものまねで笑いを届けているコロッケ。ものまねレパートリーは300種類以上で、常に新しいネタを開拓している。6月2日~18日に東京・明治座で上演される『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』では、ものまねに否定的な人物を演じるという。コロッケにインタビューし、同公演への意気込みや、ものまねに対する思い、今後の抱負など話を聞いた。

  • コロッケ

    岩崎宏美ものまねをするコロッケ 撮影:蔦野裕

『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』は、昭和歌謡音楽劇とコンサートの二本立ての構成。第1部の『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』は、中村扮する星川誠がマスターを務める宮城県の田舎町にあるカフェが舞台の音楽劇で、コロッケは都会から戻ってきたカフェの昔からの常連客役を務める。

「自分が憧れていた方とご一緒できるというのは本当にうれしいです」と声を弾ませるコロッケ。中学時代には、『俺たちの旅』で中村が着ていたファッションを真似していたという。

「新聞配達のバイトをしていたのですが、初めてのバイト代で買ったのが、雅俊さんがドラマで着ていたフィールドジャケットで、ベルボトムのラッパズボンと下駄も履いていていました。髪型も、あそこまでは伸ばせなかったですが近い髪型にしていました」

ビジュアルだけでなく内面の部分でも中村が演じていた役柄から影響を受けていたそうで、「ドラマの中で、生徒や友達に一生懸命だったり、真っすぐな役が多かったので、僕も友達や家族など、全部に対して真っすぐ一生懸命に向き合いたいなと。全力で動くというのは真似できればいいなと思っています」と語る。

公演で演じる役柄については、「中村さん演じる主人公が営むカフェの古くからの常連客で、都会に憧れ地元から出たけど、4年に1回地元に帰ってくる。何をやっても成功せず、本当はものまねが得意だけどものまねが嫌いで、『人の真似して食べていくなんてダメ。自分のオリジナルじゃなきゃ』という考えを持った人です」と説明。

「ものまねでずっと食べてきている僕がそういう人を演じるのは面白いかなと思って提案させていただきました。僕の中では今までやったことがない役で、ものまねを否定しているということ自体が新しいので、皆さんが見たことないコロッケを見てもらえたらと思います」と意気込む。

ものまねに否定的な役とはいえ、劇中でものまねする場面もある予定だという。先日行われた会見で「難しい」と吐露していた中村のものまねも見られるのか気になるところだ。

  • コロッケ

ものまねを世のため人のために「人の揚げ足を取って食べているので」

コロッケ自身はもちろん、「ものまねを否定したことは一回もない」とのことで、「それで食べさせてもらっているので」と感謝している。

改めてものまねへの思いを尋ねると、「ものまねは僕の中で一生やっていくもの。ものまねというジャンルをもっともっとエンターテイメントにしたいし、ものまねをやらせていただいているんだから、ものまねを世のため人のために使っていこうという思いがあります」と回答。

「ものまねをさせていただいているご本人からすれば、『ふざけんなよ』と思われていることが多いですから。人の揚げ足を取って食べているので、ボランティアをしたり、警察のお手伝いをしたり、人の役に立つようなことをしていきたいなと。これは後輩にもよく言っていることで、坂本冬休みらも一日警察署長をやったりしていますが、ものまね芸人が集まって役に立てたらいいなと思っています」と語る。