元プロ野球選手で野球解説者の前田智徳氏が13日、YouTubeチャンネル『ダグアウト!!!』で公開された動画「【カープ秘話】広島東洋カープのレジェンドが当時怖かった先輩! 認められないと名前で呼ばれない!?」に登場。唯一ストライクのフォークで空振りしたというピッチャーの名前を告白した。

  • 前田智徳氏 =BSJapanext提供

唯一、プロ野球でそれ1回だけ

「対戦してワクワクしたピッチャー」というトークテーマで、前田氏が「誰か挙げるとすれば」と前置きしつつ名前を挙げたのが、伊藤智仁氏だった。

ルーキーイヤーの1993年に14試合に登板(うち12試合で先発)、防御率0.91、7勝2敗という圧倒的な成績を残して新人王を獲得した伊藤氏。その後、ケガに苦しんだものの、150キロを超えるストレートのほか、代名詞の高速スライダーはNPBの歴史の中でも最高の変化球と称される。

そんな伊藤氏との対戦について、前田氏は「ノーヒットノーランをされそうになった」試合を述懐。「伊藤智さんって真っ直ぐ、スライダー、カーブしかなかったんです、その時のデータでは」と、スコアラーの報告について説明したうえで、「でも僕の時だけフォークボールを投げたんです」「初球フォークボールが来て、それはストライクからストライクのフォークボールだったんです。それを振ったんです。真っ直ぐとスライダーしか頭にないんで」と、頭になかったフォークボールが投じられたという。

また、このフォークボールは一度ではなかったそうで、2球目も1球目と同じストライクからストライクのフォークボールで空振り。この時点で「おかしいなこれデータにないし、しかもストライクが当たらない、どういうことや?」「3球は続けんかもわからんけど、もしかしたらあるかもな……」などと内心思っていた前田氏だったが、混乱のまま、結果、3球目もフォークで空振りとなり、三球三振で終了したそうだ。

この対戦について、前田氏は「同じストライクからストライクで三振したんです。唯一、プロ野球でそれ1回だけです。ストライクのフォークで三振したのは」と打ち明け、「そこからもうスコアラーは信用しなくなりました」と、冗談混じりで語った。

なお、その時マスクを被っていたのは、古田敦也氏。前田氏は「古田さんはフォークを3つぐらい出したりするんです。2アウトランナーなしで初球からフォークとか、点差があってもフォークフォークフォークとか。もう酷いんです、あの人」と、名捕手である古田氏のリードのすごさについても証言していた。

【編集部MEMO】
『ダグアウト!!!』(BSJapanext 毎週火曜22:00〜)は、プロ野球選手・OBたちが「ダグアウト」(試合中に監督や選手が待機するベンチ)で話すような球界のアレコレを語る野球トークバラエティ番組。自分が一緒にプレーしたい選手を選ぶ「俺のベスト9」、子どもたちからの野球に関するさまざまな質問にゲストが直球で答えていくコーナー「教えて! 野Q塾」など、野球好きにはたまらない企画が見どころ。番組MCを上田まりえ、スピードワゴン・小沢一敬、ビビる大木らが務め、初回ゲストには上田がアシスタントとして出演するYouTubeチャンネル『上原浩治の雑談魂 』も注目を集めている球界のレジェンド、上原浩治氏が登場した。