南海電気鉄道は14日、「鉄道事業のサステナビリティを高める安全・安定的な輸送基盤の強化」や、バリアフリー対策等の「社会的要請に応えるサービスの高度化」を推進し、社会に必要とされる価値を提供するため、2024年度に総額約140億円の設備投資を計画していると発表した。

  • 南海電鉄で導入の進む8300系。2023年度末時点で南海線に60両、高野線に64両を導入しているという

車両の新造・更新も進め、2024年度は8300系を12両新造する予定。2015年度から導入された8300系は、「省エネルギー化」「安全・サービスの向上」「車両メンテナンスの向上」をめざして開発した「人と環境に優しい車両」とされ、泉北高速鉄道の9300系とともに2023年度のグッドデザイン賞に選ばれた。2023年度、8300系を8両新造。2023年度末の時点で南海線に60両、高野線で64両を導入している。その他、1000系1編成(6両編成)について床下機器の更新を行う。

車両防犯カメラの設置も推進しており、2023年度に8300系の全車両(計124両)で運用を開始したほか、2024年度に9000系・1000系の計108両に設置予定。南海電鉄の全車両698両(ケーブルカーを含む)のうち、約3割にあたる232両で車内防犯カメラの設置を完了する。中百舌鳥駅では、4番線ホームに大開口ホーム柵が設置され、2024年3月から運用を開始した。2024年度は3番線ホームにも大開口ホーム柵を設置し、さらなる安全性向上を図る。

これらに加え、「鉄道事業のサステナビリティを高める安全・安定的な輸送基盤の強化」として鉄道研修センターの運転シミュレーター更新、駅ホーム施設の更新、連続立体交差事業、変電設備の更新、防護無線システムの導入(高野線)、駅舎・高架橋柱等の耐震補強工事、防災工事を実施。「社会的要請に応えるサービスの高度化」として駅舎リニューアルとバリアフリー化推進、トイレリニューアル、GOA2.5自動運転導入をめざす和歌山港線での実証実験、「タッチ決済」「デジタルきっぷ」対応改札機の拡大など行うとしている。