ジープの本格オフローダー「ラングラー」が日本で大人気だ。2024年5月10日には新型モデルが登場。同モデルとしてはお手頃なエントリーグレードが追加となったこともあり、販売はさらに伸びるかもしれない。Z世代からも注目を集めているとか? ラングラーの現在地を考える。

  • ジープの新型「ラングラー」

    ステランティスジャパンは東京・渋谷の「MIYASHITA PARK」で新型「ラングラー」の発表会を開催した

日本は世界4位のラングラー大国

日本は特にラングラーの売れ行きが良好な市場だという。2023年の販売台数は最も売れたほうから順にアメリカ、カナダ、中国、日本の順。世界第1位の自動車市場である中国とは、ほんの数百台差での4位だった。

  • ジープの新型「ラングラー」

    新型「ラングラー」のグレードは「Unlimited Sport」(スポーツ、799万円)、「Unlimited Sahara」(サハラ、839万円)、「Unlimited Rubicon」(ルビコン、889万円)の3種類。写真は日本10台限定(抽選販売)の特別なボディカラー「ハイベロシティ」をまとったルビコンだ

なぜ日本でラングラーが売れているのか。オフロード性能の高さや唯一無二のデザインはもちろん、楽しみや新しい価値を自分自身で見つける人が増えていることが、ラングラーの人気につながっているのではないかというのがステランティスジャパン代表取締役社長の打越晋さんの見立てだ。若年層からの人気も高まっているそうで、特に2020年ごろからは若いユーザーが増えているという。

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    ジオテクノロジーズが2023年1月に実施した調査によると、Z世代(18~27歳)の購入検討車種(SUV部門)で「ラングラー」が輸入車No.1になったという

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    発表会にはジープユーザーのトータルテンボス・藤田憲右さんが登場。過去に乗っていたラングラー(マイナーチェンジ前の現行型)については「小回りが利く」ことに驚いたそうだ。ちなみに現在は「グランドチェロキー」に乗っているとのこと

輸入ミッドサイズSUV部門で第1位奪還を目指す?

ステランティスジャパンでジープのプロダクトマネージャーを務める渡邊由紀さんによると、日本の輸入車市場は年間30万台ほどの規模で推移しており、今後も30万台強をキープしていく見通し。中でもSUVは堅調で、約5割ほどのシェアを維持していく見込みだという。そんな輸入SUV市場で「第1位を奪還」(渡邊さん)するというのが、新型ラングラーに課せられた使命だ。

  • ジープの新型「ラングラー」

    2020年、2021年は日本の輸入ミッドサイズSUVセグメントで販売台数第1位だった「ラングラー」。新型モデルの投入で2024年は第1位の奪還を目指す

そのために用意したのがエントリーグレードの「Unlimited Sport」だ。ここ数年、ラングラーではエントリーグレードの導入を見送っていたそうだが、新型モデルの発売に合わせて最も安いグレードを復活させた。残りのグレードについては、モデルチェンジ前よりも価格を下げたそうだ。

  • ジープの新型「ラングラー」

    エントリーグレード「スポーツ」は799万円

  • ジープの新型「ラングラー」

    「サハラ」グレードは約40万円分の新装備を盛り込んで価格をモデルチェンジ前に比べ31万円引き下げた

  • ジープの新型「ラングラー」

    「ルビコン」グレードは約55万円分の新装備を盛り込んで同16万円のプライスダウンだ

新型の投入により販売台数で中国を逆転し、ラングラーの市場として日本がアジアトップの地位を獲得できるかどうかにも注目だ。