東武鉄道は30日、今年度の鉄道事業設備投資計画について発表した。「さらなるサービスの向上」として、東武アーバンパークライン(野田線)へ新型車両80000系を導入するほか、東上線で運行する9000系を新型車両へ代替更新する計画も明らかにした。
東上線の9000型は1981(昭和56)年に登場。地下鉄有楽町線乗入れ用として製造されたオールステンレス製・10両固定編成の車両で、左右非対称型の前面デザインが特徴。1994(平成6)年に登場した9050型も、9000型に準じて製造された。9000型・9050型ともに現在は東武東上線から東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線へ直通する列車にも使用されている。東武鉄道は9000系を新型車両へ代替更新する計画としており、2024年度は新型車両の設計業務を実施するという。
東武アーバンパークライン(野田線)の新型車両80000系は、2025年春以降に順次導入。子育て世代に優しい車両をコンセプトに、ベビーカー利用者が車内で快適に過ごせる「たのしーと」を設定するほか、熱損失が少なく高効率な新型モータと電力を効率的に運用できる車上バッテリシステムを搭載して使用電力量を削減し、環境負荷低減を実現する。2024年度は5編成25両の車両製作を進める。
より便利で快適に駅を利用してもらうため、駅舎のリニューアル工事も引き続き推進。2024年度は武里駅(東武スカイツリーライン)、久喜駅(伊勢崎線)、新古河駅(日光線)、江戸川台駅(東武アーバンパークライン)、武蔵嵐山駅(東上線)の計5駅で駅舎リニューアルを計画している。
初石駅(東武アーバンパークライン)は流山市による支援の下、駅舎の橋上化を推進しており、2023年度に施行協定を締結。2024年度は新駅舎整備工事を実施する。駅舎の橋上化に合わせてバリアフリー化された東西自由通路を整備し、駅へのアクセスを向上させる。SL列車が走る鬼怒川線の各駅で、レトロ調をコンセプトに統一的な駅施設の整備を進め、さらなる魅力向上も図るとしている。
東武鉄道は2024年度、鉄道事業において総額403億円の設備投資を行う。おもな内容として、「安全・安心の持続的な提供」「さらなるサービスの向上」「駅バリアフリー化の推進」「新技術導入の推進」「環境負荷の低減」を挙げている。