グローバルなプラットフォームとして、アーティストとファンが国や地域を超えて交流することを可能にするWeverse。「アーティストが簡単に世界に向けて配信できることによって、ユーザーが自分の知らない世界の様々なエンタメと出会える機会が増えるので、お互いにメリットがあると思います」と強調する。

“出会い”の創出から、新たなアイデアやコラボレーションが生まれることも期待。「Weverseがこれをどう生かしていけるかはまだ考える余地があると思いますが、まずはサービスの利用量を増やすことに集中していきます」と話した。

6月15~16日に韓国・仁川のインスパイア・エンターテインメント・リゾートで開催され、オンライン配信も行う「2024 Weverse Con Festival」は、様々な地域のアーティストが参加する音楽フェスで、まさに“出会い”の場を提供するイベントだ。

「いつかは海外の有名フェスティバルのように、様々なジャンルの音楽が集まって、各国のアーティストやファンがみんな一緒に参加できる場を作りたいです。WEVERSE JAPANとしては、日本のアーティストの出演にも期待しています」

今年は、日本のアーティストが初参加。&TEAM、imase、YOASOBIといったアーティストの出演が発表されている。

  • 「2024 Weverse Con Festival」出演アーティスト一覧

“神秘主義”的アーティストにも最適化

アーティストにとってファンとの活発なコミュニケーションが取れることが魅力のWeverse。一方で、メディア露出を控え、ファンとの距離を取る“神秘主義”的な魅力を持つアーティストも存在するが、彼らが参加することは全くないのだろうか。

「Weverseが大事に考えているのは、そのアーティストの個性です。なので、様々なアーティストにアプローチはしますが、もちろん無理やり参加してほしいとお願いはしません。ファンとのコミュニケーションは非常に重要ですが、アーティストが状況に合わせて最適化した形でWeverseを利用することも可能にしています」

今後の機能の拡充として、「アーティストが自分の個性を表現できるような画面構成の自由度を高める」という項目も掲げており、様々な戦略を持ったアーティストがそれぞれのスタイルで参加できる場を提供していく方針だ。

これまで、NEOWIZ、ゲームオンといった企業でポータルサービスやゲーム事業を手がけ、昨年10月にWEVERSE JAPAN GMに就任したムン氏。「これまでの仕事でも、新しいビジネスモデルを作るために、どこがハードルになっているのか、どうすればより楽になるのか、ユーザーからの声をよく聞き、それを数値化して分析することが重要でした。この経験は、Weverseでも生かせると思っています」と語る。

WEVERSE JAPANが設立されて6月で2年になるが、「組織の整備とチームの拡大に注力してきた」と、日本での事業はまだ発展途上であると位置づけた上で、「現在はK-POPアーティストが多い状況ですが、様々な国とジャンルのアーティストとって使いやすいプラットフォームにするために改善を進めています。米国や日本のアーティストがより使いやすいようにレーベルや事務所、アーティストとも話を進めているところです」と展望を述べた。