中田英寿氏が代表を務めるJAPAN CRAFT SAKE COMPANYは、4月18日~29日までの12日間、六本木ヒルズアリーナにて、日本食文化の祭典「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」を開催している。

  • 4月18日~29日までの12日間、六本木ヒルズアリーナにて、日本食文化の祭典「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」を開催

「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」とは?

昨年22万人が来場した日本酒のビッグイベント「CRAFT SAKE WEEK」。今年は過去最長の12日間の開催となり、全国から厳選された酒蔵120蔵と予約困難な有名レストランをはじめとした15店のレストランが集結する。

開催期間中は、一流シェフによるイベント限定メニューとともに、この日しか飲めない特別な日本酒を含めた各酒蔵こだわりの日本酒を楽しめる。

  • 1日目の参加酒蔵

本イベントは、毎日異なるお酒のテーマを設けているのが特徴。それぞれのテーマに合わせて出店する酒蔵を1日10蔵に限定し、いつ来ても新しい発見があるという。

  • 毎日異なるお酒のテーマを設けている

個人的に過去にも参加した経験があるこのイベント。何が面白いって、蔵の人が日本酒を振る舞ってくれたり、日本酒の話を唎酒師から聞くことができたり、酒に精通した人と直接コミュニケーションをとれるのがとにかく楽しい。

  • お酒をもらいに行くだけでなく、会場を練り歩く売り子の利き酒師からも購入可能

また空間にも趣向が凝らされており、今回の会場デザインは、建築家 クマタイチ氏が担当した。「SAKA-MORI」をコンセプトに、SAKEが生まれてくる母なる森をイメージし、自然のままの木や葉を空間に使用。デザインについてクマ氏は次のように語った。

「CRAFT SAKE WEEKは、日本独自のイベント。ここにしかない体験っていうのを作りたいなと。木の香りなどがすると思うんですけど、都会にいながら森を感じる。プリミティブなお祭りのような体験になるといいな思います」

  • 建築家 クマタイチ氏

イベントの楽しみ方は?

本イベントは、最初に「スターターセット」(3,900円)といって、オリジナル酒器グラス+飲食用コイン11枚を購入する。飲食用コインがお金がわりなので、必要枚数のコインを店頭で渡してお酒や料理を受け取っていく。

  • スターターセットの酒器グラス

2回目以降は、スターターキットのグラスを持参すると、追加コインの購入のみで参加が可能。ちなみに、どうでもいいだろうが、昨年参加した筆者はその時にゲットした酒器を今でも使っている(笑)。それぐらい日常でも使えるきれいなグラスなので、忘れずに持って帰ってほしい。

今年の集大成を提供する吉田酒造店

今回は開催初日の「頑張れ、北陸!!の日」を訪れた。今年1月に発生した能登半島地震で被災したエリアを応援しようと掲げられたテーマで、北陸の日本酒を飲んで酒蔵を応援することを目的としている。この日は、石川県の蔵である吉田酒造店、車多酒造をはじめ富山、新潟から10蔵が参加。

過去のCRAFT SAKE WEEKにも出店している石川の蔵「吉田酒造店」の代表取締役社長 吉田泰之氏に話を聞いてみた。

  • 吉田酒造店の代表取締役社長 吉田泰之氏

「僕らにとって(CRAFT SAKE WEEKは)すごく特別なイベント。ちょうど酒作りも後半になった集大成的なものを毎回持ってきています。この会場で、お客様にどう評価されるか、主催の中田英寿さんにどんな評価をいただけるか。毎年どれだけレベルアップしたかっていうのを自分たちも確認する楽しみなイベントです」

力を込めて話す同氏は、続けて「石川県の地震ですごい被害があったんですけど、こういう日を設けていただいたことで、被災地の方々の応援になるかなと。しっかり販売をして、またお酒が動くようにしていきたいなと思っています」と、地元石川への想いも口にしてくれた。

  • 吉田酒造店のお酒

最後にイチオシのお酒を尋ねると、「吉田蔵u 貴醸酒 石川門 うすにごり」をおすすめしてくれた。酒を仕込む際、水と一緒にお酒も入れて仕込んだ特殊かつ贅沢な造りなんだとか。

吉田酒造店ならではのアレンジをして、ちょっとモダンなタイプに仕上げたというこのお酒、ジューシーな甘みを感じるが、しゅわしゅわとした発泡感で軽快さも演出してくれる。個人的には、ワイングラスで飲みたい華やかな一杯だった。

復興支援酒も提供する車多酒造

同じく石川の酒蔵「車多酒造」の九代目 車多慶一郎氏にもイベントにかける想いを尋ねてみた。

  • 「車多酒造」の九代目である車多慶一郎氏

「初日が北陸の応援の日ということで、能登の酒蔵さんを応援している立場としては、こういった場で石川県をPRできればいいなと。復興支援酒などがありますので、少しでも(石川に)思いをはせていただければなと思っております」

飲むことで寄付にもなると話す車多氏は、復興支援酒である『天狗舞 山廃 特別純米酒 ver. 能登の復興支援酒プロジェクト つなぐ酒』について「得意としている山廃仕込みで作った特別純米酒。若い山廃なんですが、さまざまな年代の方にお楽しみいただけると思います」と、やわらかい口調ながら熱い想いを伝えてくれた。

酒だけじゃない!? 食と音楽にも注目!

本イベントは、酒蔵以外にも全15店舗のレストランが出店する(期間によって店舗は異なる)。黒毛和牛の一頭買いを行う予約困難な焼肉店「誇味山」(東京・西麻布)や、世界的料理ガイドで2011年から現在まで星を獲得し続けている「鳥しき」など、国内外で高い評価を受けるレストランが集結。

  • エリオ・ロカンダ・イタリアーナの「稚内直送マダラのコロッケとモッツァレラとカチョカヴァロが入ったライスコロッケ」

イタリア政府公認のイタリアンレストランでもあり、国内外から人が集まる名店「エリオ・ロカンダ・イタリアーナ」(東京・半蔵門)では、このイベントのために作ったというマダラのコロッケと一緒に名物のライスコロッケをセットにして提供するなど、各店こだわりを見せていた。

そのほか、「チョコmeets CRAFT SAKE」ブースでは、120蔵から1銘柄ずつ、一日10種のお酒とガーナチョコレートのマリアージュを日替わりで楽しめる。

  • チョコmeets CRAFT SAKE

会場にはDJブースも設置されているので、心地よい音楽をBGMに上質な酒と料理に酔いしれる贅沢なひとときを過ごせるはず。

なお、最終日には日本酒界のレジェンド「十四代」をはじめとするドリームチームが集結する。まさに日本酒業界をけん引する若手からレジェンドまでが集まる、日本酒の"今"を知るのにはもってこいの機会!

日本酒をまだ知らない人も、知っている人も、お酒片手に日本酒のうまさと面白さに浸ってみてはいかがだろう。

■Information
CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS
【日程】4月18日~29日
【時間】各日12時~21時(L.O. 20時30分)
【場所】東京都港区六本木6丁目9-1 六本木ヒルズアリーナ