舞台『ハザカイキ』のフォトコールがTHEATER MILANO-Zaにて行われ、丸山隆平、勝地涼、恒松祐里、三浦大輔(作・演出)が取材に応じた。
同作は三浦大輔による3年ぶりの新作で、時代の価値観の変容に踊らされる人々を描く問題作となる。芸能界を舞台に、マスコミとタレントという特殊な関係の中、現代に振り回されながら葛藤し続ける人間たちの揺らぎを、三浦独自の視点で浮き彫りにする会話劇に。主演の丸山と初タッグを組み、芸能記者・菅原裕一を演じる。ほか、風間杜夫、さとうほなみ、九条ジョー、米村亮太朗、横山由依、大空ゆうひらが出演する。
■舞台『ハザカイキ』で芸能記者役に挑んだ丸山隆平
構想7年という同作だが、作・演出の三浦は「とあるシーンを舞台上でやりたくて構想が始まったんですけど、7年経ってここまで時代とフィットするとは予想外なので、この時期に観るべき作品なのかなと強く思っています」と自信を見せる。主演の丸山については「(決まったのは)あやふやなんですけど、1年くらい前ですかね。普段のテレビとかで見る丸山くんの地をそのまま使って演じてほしいなという思いを強く持って、もちろん週刊誌の記者ではないですけど、自分の仕事とリンクする部分も演じてくれてるなと思います」と評価した。
週刊誌記者役の丸山は、この会見でも記者たちが発言をメモする様子を見て「何書かれてるのかな?」と気になる様子。「新鮮でもありますし、こういう思いで記者の方がいろんな情報を集めたりしているのかなと。考えたことなかったので、観察のしがいのある職業だなと思いました」と明かす。
映像なども参考にしたそうだが、実際のイメージとしては「車とかですごい張り込んでるイメージ。人によってスタイルは違うと思うんですけど、とにかく途方もない時間をかけてスキャンダルだったり、社会的なことも取り上げたりされてますから。時間も労力も精神的なものも削られるんだろうなというのは想像して、イメージが変わりました。すごい怖い人たちなのかなというイメージでしたけど、記者の方も生活があって家庭があるわけじゃないですか。そういう背景を考えさせられたりはしました」と振り返る。
また恒松は「私はあんまりまだ撮られたりしたことがないので。ずっと外で寒い思いを新柄張り込んでる人たちというイメージ」という一方で、「今回の作品ではすごいマイクを向けられるシーンがあって、(会見中も)作品の舞台上にいるみたいな気持ちになってます。こういうシーンがあるから、リアルなのか舞台なのかがわからなくなってる感じです」と語った。
芸能記者に向けての一言を求められると、丸山は「皆さん専門で飯を食われているわけですから、記事の質にはよるとは思うんですけど、報道すべきはすべきですし、忖度とか言われてますけども、信念や志を持たれてるんだったら、素晴らしい職業やと思います」と表す。「記事にもよりますけど」と念を押しつつ、「いい人生のためにやってるんだと思いますし、それは自分の生活としてやっていただければと思います。あんまり触れたくはないですけど、僕らもお世話になってますから、 いつも感謝はしています」と心境を明かした。
舞台上では丸山と親友となる勝地は、実際には「なってないです。2カ月ではならないです。でもこれから」と今後に期待も。丸山は「舞台や演劇で言ったら大先輩だったりするんで、いろいろアドバイスいただいたり。この舞台の稽古期間中に『お前ちゃんとせいよ』というのは言っていただきました」と明かし、勝地は「変な切り取り方される!」と焦る。
丸山は「劇を良くするために、『もうそろそろ、この段階ではダメなんじゃない?』と言ってただいて。僕も41(歳)なんですけど、なかなかそういうことを言ってくれる人っていなくて嬉しかったし、助かってます。本当に頼りになる」と感謝。「そこから台本とかを持って行って、『このシーンはどう見えた?』と聞いた時も的確にアドバイスをいただいて。もちろん三浦さんの演出が元なんですけど、フッと見た時にどう見えるか、つぶさにアドバイスくださり、めちゃくちゃ助かってます」と語った。
東京公演はTHEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)にて3月31日〜4月22日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて4月27日~5月6日。