俳優の西島秀俊が主演を務めるテレビ朝日のスペシャルドラマ『黄金の刻~服部金太郎物語~』(3月30日21:00~)の記者会見が、某日に同局本社で行われ、西島と水上恒司が登壇した。この春、新しい環境へ飛び込む人たちへメッセージを送った。

  • 左から西島秀俊、水上恒司

■西島秀俊&水上恒司、共に働きたい人物像は

今作が放送されるのは3月30日。春からの新生活が間近に控える季節ということで、会見では、西島と水上が「チームや組織でどんな人と共に働きたいと考えているか」を語った。西島は、「今回の共演者の方もそうですけど、情熱を持って何かに向かっている人と一緒に仕事がしたい。これまでもずっとそう思ってきたし、今も思っています。今回の作品は、監督は大変だったと思うんですけど、『このシーンはこうなんじゃないか』って、皆が話し合って、監督の意見があって、皆で作っていくスタイルで楽しかった。より素晴らしいもののために、情熱を持って全力を尽くすというチームと一緒にやっていきたいし、自分もその一員として参加したいと思ってます」と、自身の作品づくりへの姿勢も交えて回答した。

水上は、「小学校の頃から野球というチームスポーツをやってきたので、進学するにつれてチームが変わって、色んな人と接する機会があったので、どんな環境でも自分を保てるタイプだったんです。だから、こういう上司がいてほしい、こういう部下がいてほしいと考えたことがないなと思ったんですけど」と自身のこれまでの経験を振り返りつつ、「この俳優という職業も短いスパンで組が変わっていって、全く同じフルメンバーで再び仕事ができることはほぼないので、この人はなんでこういうカメラワークをするんだろう、こういうカット割りをするんだろう、こういうふうに照らすんだろう、こういうお芝居をされるんだろうと、興味の湧く方がより多い現場は幸せだなと思います」と、スタッフや共演者への思いを語った。

  • 西島秀俊

  • 水上恒司

■西島秀俊&水上恒司、新生活迎える方々へメッセージ

続いて、この春、新しい環境へ飛び込む人へのメッセージを求められると西島は、「新しい環境に飛び込むときは期待と不安がありますが、実際に入ってみると、全然イメージと違うこともあったりして。特に若い人だと、そこしかないと考えちゃうことも思うんですけど、僕は、もしその環境が本当に良くないんだったら、飛び出して、逃げてもいいと思います」と逃げることも選択肢の一つだと告げる。「僕ももともとは映画に関わりたいと思ってたけど、全然違う道に行っちゃって、急に関われることになった人間なので、ここが自分の場所じゃないと思ったときには、離れてもいい。自分がここだという場所を見つけたら、きっとそこで幸せに暮らせるはずです」と自身の経験も交えて、持論を述べた。

水上は、「僕は25歳でまだ若いので偉そうに言えませんし、僕が経験してきたのは一般社会とちょっと違う特殊な世界なので、あまりあてにはしてほしくないですけど、その中で強いて言うのあれば」と前置きしつつ、「たくさん失敗してきて、ちょっと成功した僕から言えるのは、緊張も、不安も、悩むこともあって当たり前な中で、自分自身がどれだけ一生懸命やって、どれだけ結果を残せるかだと思うので、『てめえ次第だ』と。厳しいかもしれませんが敢えて言いたいですね」と語った。

最後に西島は視聴者へ向け、「素晴らしいキャスト、素晴らしいスタッフによって、一生懸命丁寧に作られたドラマです。登場人物全員で困難を乗り越えていく物語なので、明日から頑張ろう、夢に向かって邁進していこうと前向きな力を感じていただけたらそんなにうれしいことはありません。ぜひ楽しみに待っていただければと思います」とコメント。水上も「“刻”に人が魅了されていくことが素敵で、魅力的で。僕が魅了されているのは“お芝居”なんですけど、金太郎さんが刻を追い求めていくように、この作品を見ていただいた方にも、何か見つかったり、頑張ってみようと思えるきっかけになってくれたら」と語り、服部金太郎をこえる人物が令和から出てこなきゃいけないと思うので、頑張ってください!」と呼びかけた。

■3月30日放送『黄金の刻~服部金太郎物語~』

作家・楡周平による小説『黄金の刻 小説 服部金太郎』(集英社刊)を、オシドラサタデー『書けないッ!? ~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~』(21/テレビ朝日系)、映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』(20年)などで知られる豊島圭介氏がドラマ化する今作では、日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売したことで知られる「セイコーグループ」の創業者・服部金太郎の波乱の人生を重厚に描き出す。丁稚奉公から時計修理職人を経て、時計の製造工場「精工舎」を設立し、国産初の腕時計を製造販売。常に時代の先を読み、「義理」「人情」「恩義」を大切にしながら、一歩ずつ己の夢を叶えていった金太郎だが、火災や震災など、数々の困難に襲われ……洋品雑貨問屋の丁稚は、いかにして「東洋の時計王」になったのか。