茂木健一郎「友達って、『量』ではなくて『質』なんだと思うんですよね」孤独を感じていると悩む相談者に、脳科学的視点からアドバイス
脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMのラジオ番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00~22:30)。

TOKYO FMとJFN系列38局の音声配信プラットフォーム「AuDee(オーディー)」では、当番組のスピンオフ番組「茂木健一郎のポジティブ脳教室」を配信中です。この番組では、リスナーの皆様から寄せられたお悩みに茂木が脳科学的視点から回答して「ポジティブな考え方」を伝授していきます。

3月9日(土)の配信では「孤独に強くなるには?」という相談に答えました。

パーソナリティの茂木健一郎

<リスナーからの相談>

私は友達が少なく、いつも孤独を感じていて、とてもつらいです。1人でいても平気な人が うらやましいです。どうしたら孤独に強くなれますか? アドバイスをいただけたら嬉しいです。

<茂木の回答>

茂木:なるほど。友達が「少なく」とお書きになっているということは、全くいないわけではないのでしょう。友達って、量ではなくて質なんだと思うんですよね。まずはお友達との付き合いを大切にしたら良いのかなと思うのですが、僕も孤独感を感じることはあります。それは、友達がたくさんいても、その中でわかり合えないとか、共感できることがないなと思うと孤独を感じるんです。

人間の脳にとって「孤独感」の反対は「共感」。なので、お友達は少ないかもしれませんが、共感できるようなことがあったら、それで孤独感はずいぶん癒えます。

たとえば、最近流行りのドラマや映画、音楽などについて、友達に「これ良かったよ!」と勧めて、「私も見たよ! 良かったね」という返事がくると、そこに共感が生まれますよね。そのことで孤独感は癒やされます。

あと、友達と一緒においしいご飯を食べたり、お茶をしたりすると楽しいですよね。(同じものを食べて感動したり、話が盛り上がったりした)その共感が絆になっていくので、共感する機会を少しでも持つことが大事なのかなと。

おそらく相談者さんが感じているという孤独は、共感が足りないからだと思うんです。逆に言うと、相談者さんの脳が共感を求めているということなんですね。ということは、友達と親しくなる心の働きはあるということです。

世の中には「共感なんかいらないよ」とか言って、自分の趣味にばかり走る人もいるんです。それは脳の個性なので悪いことではありませんが、おそらく相談者さんはご自身の持っている共感の能力を、もっと使いたいのではと思います。

人は、共通点があるとグッと親近感が湧いて、人間関係を深めることができます。たとえば、同じ趣味を持つ人に出会うと、仲良くなって共感する機会も増えますよね。だから意外とお友達を作るツールとして、SNSはとても良いかなと思ったりもします。この配信番組「ポジティブ脳教室」も共感のきっかけになるかもしれないので、ぜひX(旧Twitter)で(僕がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組)「#ドリームハート」とか「#ポジティブ脳教室」でつぶやいてみてください。そうすると「あの番組、一緒に聴いているんだ」と、そこから新たな共感の輪が広がっていくかもしれませんよ。

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音声版「茂木健一郎のポジティブ脳教室」

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<番組情報>

番組名:茂木健一郎のポジティブ脳教室

配信日時:毎週土曜 22:30配信(予定)

パーソナリティ:茂木健一郎

番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/11745