今回の人気モデル:ジープ ラングラー アンリミテッド

[BMW X3]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー



文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2024年2月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年4月号の内容です)



Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもおなじみの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2023-2024 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。


人気モデルだからこそレアな上級仕様は魅力的


 今回チェックするのは、ドイツ御三家のひとつ、BMWのミドルクラスSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル、いわゆるSUV)であるX3。取材させていただいたのは、2022年登録の「X3 M40d」で、走行距離は5800km、支払総額は877万70円です。
 実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。親しみやすい語り口とわかりやすい解説が持ち味の竹岡さんは、X3の本質を次のように説明してくれました。
 「もともと、プレミアムSUVの元祖が初代X5(2000年)で、もうちょっと小さいモデルがあるといいよねって企画されたのが初代X3(2004年)。それから20年経って、いまやSAV(SUV)は主力モデルとしてX1からX7までフルラインアップされるようになった。じゃあそのなかでX3はどんなクルマなのかというと、まさにBMWにおけるスタンダード。万人にとって使いやすい。やっぱり『3』ってそういうクルマなんだよね」
 BMWにおける3シリーズは、つねにブランドの中核を担う重要な存在。時代がプレミアムモデルに求める要素をハイレベルでバランスさせ、BMWらしいスポーティで上質なしつらえを与えるのが伝統だ。竹岡さんは、X3がその伝統をしっかりと受け継いでいるという。
 今回の取材に協力してくださった『Nicole BMW BMW Premium Selection 横浜港北』セールス課の伊藤さんによれば、X3は3シリーズに続くほどの売れ筋モデルで、BMWらしさを備えながらも、高めのドライビングポジションによる視界の良さと運転のしやすさが好評とのこと。
 「そう、乗るとちゃんとBMWらしさがある。これって当たり前のようでいて、じつはそうじゃない。ユーザーの期待をクルマが上まわるからこそ感じるわけ。3シリーズから乗り換えても違和感ないってすごいことだと思うよ」と竹岡さん。
 取材車両は、ラインアップにおける高性能シリーズ「Mパフォーマンスモデル」に属するM40dで、最高出力340馬力を発生する3L直6ディーゼルターボを搭載。新車価格は978万円となっている。X3は2021年10月にマイナーチェンジを受け、内外装をアップデート。運転支援システムもハンズオフに対応するなど、完成度をさらに高めている。伊藤さんによれば、X3自体人気が高く、好条件の車両はすぐに売れてしまうというが、M40dはさらにレアで探している人も多いという。実際この車両も、取材前日に売約済みに。お客様のご厚意により取材に協力いただくことになった。
 「X3は人気モデルだからこそ、M40dみたいな上級モデルが必要なんだよね。こだわり派の人にとってはワンランク上の性能とディテールがうれしいし、他人と被らないって大事じゃない(笑)。この車両はデモカーじゃなくて、ニコルで新車を購入した人の下取り車だそうだけど、MモデルやMパフォーマンスモデルみたいな特別なクルマは、認定中古車のなかでも、日頃からいいお客様とお付き合いしている販売店が強い。そういう意味でも、販売会社に注目するのはいい目線かもね」




3シリーズに次ぐSUVタイプの定番




 3シリーズに続くほどの人気を誇るX3。BMWらしいスポーティな走行フィールとデザインを備えながら、あらゆる地形に対応する使い勝手のよさを誇る。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、Mパフォーマンスモデルとニーズに合わせて選べる豊富なラインアップも特徴。人気は力強く、低燃費のディーゼルモデル。



中古車参考価格帯:290万円〜860万円(17年〜24年 X3 全グレード)




取材協力|Nicole BMW BMW Premium Selection 横浜港北



 首都圏最大級の広大な敷地に高品質のBMW認定中古車が並ぶ『Nicole BMW BMW Premium Selection 横浜港北』。第三京浜港北ICより約1kmとクルマでのアクセスは抜群。全国BMW最優秀・優秀ディーラー賞を通算23回獲得しているNicole BMWが運営しており、認定中古車のなかでも高品質な車両が数多く入庫するのも特徴。



住所:神奈川県横浜市都筑区東方町279
TEL:045-472-2600
定休日:水曜日(祝日を除く)
営業時間: 10:00〜19:00
URL:


BMW X3の実車をチェック!

【デザイン】BMWに求めるスポーティさをSUVタイプで表現




 BMWはXシリーズのことをSUVではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んで差別化しています。デザインも、SUVらしい力強さはもちろん確保したうえで、BMWに期待するスポーティなテイストがしっかりと備わっています。また、取材車両のM40dは、標準車両とMモデルの中間に位置するMパフォーマンスモデルで、ホイールや前後バンパーなどのデザインが特別なものになっています。こうした細部へのこだわりも、X3の魅力になっています。




3シリーズに共通するスタイリッシュでスポーティなイメージをSUVで実現させたX3。M40dは細部がさらにスポーティな仕立てになる。

【装備】プレミアムクラスのモデルだけに標準装備が豪華




 X3はプレミアムセグメントのモデルなので、基本的な装備が非常に充実。高度に電子制御されたステアリングは、日常では扱いやすい一方で、スポーティな走りをしたときにはダイレクトな感触を提供。それでいて余計な力を必要としません。また、AWDシステム「xDrive」は、走行状況に応じて前後の駆動配分を可変するインテリジェントなシステム。渋滞時にハンズオフを実現する高度な運転支援システムを標準搭載。中古車とは思えない最新レベルの装備です。




X3は標準装備がかなり充実しているのに加えて、取材車両は上級モデルのM40dで、さらに走行性能やルックスが磨き上げられている。

【使い勝手】車体の大きさを感じさせないハイテク装備




 全長が約4.7m、全幅が約1.9mと、なかなか立派なサイズ感。ドライバーによっては取りまわしに不安を覚えるかもしれませんが、それを補うための装備が整っています。360度カメラに加えて俯瞰ビューも備わる「パーキング・アシスト・プラス」や高度な運転支援機能や安全装備をパッケージングした「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を搭載。車体各所に設置されたカメラやセンサーがドライバーを支援します。シートも本革で高級車らしい装備が整っています。




ラゲッジルームの容量は標準状態で550L、最大で1600Lまで拡大可能。後席は3分割タイプで利用用途によりアレンジしやすい。

わかる人にはわかる、人気モデルの上級仕様



竹岡 圭 レビュー

デザイン[★★★★★]

 遠くから見る分にはX3なのですが、近づいてみると「あれっ!これはちょっと違う!」というのが、M40dのいいところだと思います。大人気のX3なんだけれど、ちょっと人とは違う。でも全然違うわけじゃないから、悪目立ちはしにくいという、絶妙な感じ。お値段はなかなかですが、だからこそ認定中古車の選択はベストかも!


装備[★★★★★]

 フル装備と言ってもまったく過言ではないM40d。渋滞時はハンズフリーで運転できる機能もしっかり備わっているので、遠出することも多いであろうSUVとしては、助かることもありそう。安全装備に加えて、オーディオ等のラグジュアリー装備も最上級のものが備わっているので、乗っている間はもちろん、所有欲も満たしてもらえそう。


使い勝手[★★★★★]

 X3って、ちょうどイイサイズ感なんですよね。住宅街ではX5だと大きいと感じることも多いですし、キャンプ場など意外と狭いところが多いですからね。X3くらいがベストという方が、日本のクルマ生活事情では多いと思うんです。世代を重ねるごとに、クルマは大きくなっているので、ファミリーで使うにもピッタリですね。


編集部 レビュー

デザイン[★★★★★]

 X3は、誰が見てもBMWのSUVだとわかる王道デザイン。プレミアムカーらしい上質感のなかに、BMWに期待するシャープな雰囲気が調和しています。さらにM40dとなれば、ディテールがさらにパワーアップ。ホイールから覗く大型ブレーキやMモデルをイメージさせるミラーのデザインが、クルマ好きの心を掴みます。


装備[★★★★★]

 標準装備がとにかく充実しているX3。マイナーチェンジ以降のモデルは、ベーシックな20dでも、渋滞時のハンズオフ運転を実現する高度な運転支援システムやコネクテッド、高品質なオーディオが標準装備。また、車両によっては今回の取材車両のように、メーカーオプションを追加しているものもあるので注目です。


使い勝手[★★★★★]

 2017年に登場した時点から大型のセンターディスプレイを採用するなど、デジタル化を進めていたX3。マイナーチェンジ以降のモデルはさらに進化し、AI音声会話システムなどを搭載する「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」を採用。運転に集中しながら、多数の機能をコントロールできるようになりました。


ライバルモデルをチェック!

メルセデス・ベンツ GLC(先代)



メルセデスらしさ、CクラスらしさをSUVで表現したGLC。全長約4.7m、全幅約1.9mのサイズながら最小回転半径5.7mと使いやすい。エアサス搭載モデルは快適性がかなり良好。



中古車参考価格帯:240万円〜780万円(16年〜22年 GLC 全グレード)


アウディ Q5



Q5のボディサイズや2LディーゼルターボとAWDというパワートレインはX3やGLCとほぼ同じ。上級モデルのSQ5はM40dと似たキャラクターで、3LV6のガソリンターボを搭載する。



中古車参考価格帯:400万円〜810万円(17年〜24年 Q5 全グレード)