文と写真⚫︎ユニット・コンパス



 日本はもちろん、世界的にシェアを拡大している電気自動車(EV)。グーネットマガジンでも「新車試乗レポート」や「グーEVテスト」で、注目モデルのレポートを都度発信しているが、となると次に気になるのが「実際に買って暮らしてみる」というテーマだ。そこで、編集部Oが実際に買って、いろんな状況で試してみることになった!



 第4回目は、自宅充電器設置工事の話。実際の工事がどのような順序で行われるのか? また予算はいくらかかるのかをレポートした。



 そして今回は、納車から半年たったまとめをお届けしたい。走った距離は約6000kmだ!



前回の記事はこちら▼ 


パンダカラーの2台に大満足!




~ホンダeを思った以上に気に入っているという編集部O~



編集部O「仕事用として足に使えるクルマを1台、プライベート用として好きなクルマを1台。これまでずっと2台持ちの生活をしてきました。ある意味で贅沢な話なんですが、現実としては好きなクルマは頑張って買うので、仕事用は、価格や駐車場などかなり妥協せざるをえなかった。いわゆる、距離も走った『ザ・中古車』が多かったわけです(苦笑)」



~ホンダeの前に乗っていた、N-VANは新車みたいに綺麗だったような‥‥~



編集部O「趣味のキャンプがだいぶレベルアップしてきたところ、実用に徹したキャラクターのN-VANが登場し、グッときて思わず頑張ったわけです(笑)。しかし、そこは2台目。軽自動車なら税金も安いし、リセールのことも熟慮して決めた感じでした」



~はじめてEVと暮らしてみて、ずばりどうでしょう?~



編集部O「仕事用のセカンドカーとして導入したわけですが、かなり満足しています。EVならではの静かで滑らかな走りがクセになっていて、本来は往復約60kmの通勤と近所の足というイメージだったものの、乗っていて楽しくて、休みの日にもかなり乗りまわしています」





~セカンドカーからファーストカーへと逆転したと~



編集部O「痛感しているのは、通勤が楽しくなると仕事のモチベーションが上がるということ。当たり前の話なのかもしれませんが、私にはちょっとした発見でした。これはいままで損してたぞ!と。あと、この半年で取材に同行することが増えまして、そうなると会議への出席がリモートになることが多いわけですが、EVだと静かな車内でまわりを気にせず会議に集中できますね。これも大きなメリットだと思っています。またこれは副次的な効能ですが、本来のファーストカーであるディフェンダーは完全に長距離専用車という名のセカンドカーになりつつあります。元々、街乗り燃費はよくないので、結果的に燃費計の数値が優秀な値を表示しています(笑)」



~それでは、残念なポイントはやっぱり「⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎」!?~



編集部O「やはりそうきますよね(苦笑)。買う前から分かっていたものの、暖房を使用したときに、航続距離が30%近く減るのが辛い。こないだも休みの日に子供を連れて往復170kmのとある公園に行ったのですが、充電100%表示の出発前では問題なく往復できる計算だったにもかかわらず、帰るときに残量表示が45%になっているため、万が一の渋滞などに備えて高速道路のPAで急速充電しました。このときはいつになく無駄な30分に感じましたね。感覚的には夏場のエアコンでも航続距離が25%低下する印象です」



~想定外の充電トラブルも?!~



編集部O「年末の12月27日に充電エラーが表示されて、翌朝クルマの充電が100%になっていない事件が発生しました。最初は脱衣所につけた『EV用 ON / OFFスイッチ』かと思ったんですが、これは問題なしと。時間もないのでひとまず出社して帰りに近くのカインズで急速充電したところ、充電OK! ここでトラブルの原因は『設置したばかりの充電器』か『車両に付属した充電ケーブル』に絞られたわけです。で、充電器を設置してくれた増渕電気の今村さんにも確認したところ、充電器の『電源LED』がグリーンのため、車両付属の充電ケーブルが怪しいということになったわけですが、ディーラーは年末休みに突入し、アマゾンもプライム会員とはいえ年末だとすぐに商品が届かない可能性があると思い、その場でサードパーティ製をケーブルを買ってしまいました。結果的には充電ケーブルで、年明けにホンダディーラーから新品ケーブルを送ってもらいました」



~とんだ災難に見舞われたとはいえ、ほかはトラブルフリーだという。そして、ちょっと注目したいのが、充電器を設置したタイミングで変更した自宅の電気契約関係。編集部Oは「まちエネ」に変更した~



編集部O「それまでは、家を買ったときに契約していた東京電力の50Aでした。でも、せっかくEVレポートをするわけだし、いろいろ調べて試したいじゃないですか。で、私は三菱商事とローソンが出資母体となる『まちエネ』にしました」





~決め手はどこにあったんでしょうか?~



編集部O「『毎晩充電し放題プラン』というのがあって、これはいいぞと。家庭の電気料金はそのままで、午前1時~午前5時までの4時間分が無料になるプラン。自宅の充電器は3kWなので、毎晩12kW分が無料になる計算ですね。この『まちエネ』を契約するタイミングで、50Aから60Aに変更。これは工事は不要でした。また、東京電力の解約手続きをすべて代行してくれるとことも助かりましたね」



~実際にはどれくらい安くなったのでしょうか?~



編集部O「東京電力/50A契約/741kWh使用=約3万4000円(2022年12月のデータ_EV未使用)との比較では、まちエネ/60A契約/977kWh使用=約2万4000円(2023年12月のデータ_EV使用)と、200kWh多く使えて1万円安い結果となりました」



~これはハンパない差ですね!~



編集部O「これには驚いていて、私の場合は大成功でした。でも、電力会社との契約はいろんなケースがあるので、単純にここが安い、ここが絶対オススメと言うのがとても難しい。まずは家庭の電気使用シミュレーションをしっかり行なったうえで判断してほしいです」



~ユーザーそれぞれによって違うわけですよね~



編集部O「例えば、自宅に帰ったときに30%で翌日100%に充電したい場合は、8.3時間必要になるわけです(ホンダeは35.5kW。電池残量を30%→100%にするには、約25kWの充電が必要で、自宅充電器が3kWだと8.3時間という計算)。なので、午前1時から午前5時までの4時間で収まらない分は、有料カウントになるわけです」



~このあたりの情報も、今後じっくり比較していきたいですね~




専用アプリで電池残量を確認。残量は%表示だが、後続距離は前回の電費で計算されるから、若干乱高下する。


性能的にはほぼ同じのサードパーティー製のケーブルをアマゾンでポチり。2万数千円の出費なり。

クルマそのものには大満足。ただし、冬場の実電費は厳しい面も。


・EVならではの快適な走りは病みつきになる
・ただし、冬場の電費は30%減を認識すべし
・自宅充電は電気料金契約も熟慮しよう


次回予告

 同じ車種に乗る自動車ジャーナリストに会う!





編集部O プロフィール



自他共に認めるクルマ好き、キャンプ好き、ウインタースポーツ好きにして、気になることは徹底的に調べるのがモットー。今回は企画を成立させるために、ローンを駆使して自らEVを購入。これからEVにまつわる諸問題に体当たりしていきます!