みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は「複数加入している個人年金保険の見直し方」についてです。

みなさんから寄せられた投資や経済ニュースに関するさまざまな疑問に、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。

今回は、複数の個人年金保険に加入しているという30代・女性からの質問です。

◆Q. 複数加入している個人年金保険の見直し方に悩んでいます

「老後が不安だったため、個人年金保険にいくつも加入していました。iDeCoもやっています。個人年金に複数加入するより、NISAに力を注いだ方がよいのではないかと思うのですが、どれを解約すればよいのか。また、いつ解約すればよいのか。何を基準に判断すればよいか、わかりません。老後のお金ばかり心配して、今の生活に彩りがなくなるのは寂しいですが、加減がわかりません」(Mog2さん/36歳/会社員)

◆A. 「加入している保険を払い済みにし、そのお金をiDeCoやNISAに回してみては」(深野さん)

複数の保険に加入されているとのことですので、毎月の掛け金は数万円でしょうか。相談者のご年齢から考えると、個人年金保険は予定利率がとても低いと思います。

そこでもし、思い切った見直しをするのであれば、加入している保険を今まで払った保険料で保障を残す「払い済み保険」にするという手もあります。保障額は減額されますが、保険料の支払いがなくなるので、浮いたお金をiDeCoやNISAに回してみてはと思います。個人年金保険の掛け金(保険料)の範囲内でやるのであれば、支出額は変わらないわけですから。

例えば、個人年金保険の保険料を3万5000円支払っていたとします。老後のことが心配であるなら、払い済みにした保険料3万5000円から、iDeCoへの拠出額をいくらか増やして、満額にしてみるのも一策です。それでもお金が余るようであれば、NISAのつみたて投資枠に回してみてはどうでしょう。

仮に、保険料3万5000円からiDeCoを満額にするために1万円を支払ったとします。すると残りは2万5000円。このお金は、NISAに回すといった算段ですね。

ただし、もし全額をiDeCoやNISAに回してしまうと、今の生活に彩りがなくなってしまうというのであれば、2万5000円のうち半分だけNISAに回し、残りの1万2500円は、ご自身の今の楽しみのために使うというのでもよいと思います。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

文=All About 編集部