阪急電鉄は26日、同社初となる座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」を7月から導入すると発表した。「日常の“移動時間”を、プライベートな空間で過ごす“自分時間”へ」をコンセプトに、京都線の新型特急車両2300系、京都線でおもに特急車両として運行している9300系(一部)のそれぞれ大阪方から4両目に設定する。
「PRiVACE」は専用ウェブサイトで予約・利用する座席指定サービス。乗車区間の運賃に加え、1乗車あたり500円の座席指定料金が必要となる。「PRiVACE」の車両に専属のアテンダントが添乗し、座席への案内等を行う。
座席の配置は横3列(2列+1列)とし、一般車両と比べて座面幅と足もとの前後のスペースを広くすることで、ゆったりと過ごせるようにしている。「阪急電車の伝統」ともいえるゴールデンオリーブ色の座席は座り心地を追求し、リクライニングに座面が連動する機構を採用する。
周囲の視線が気にならない座席頭部側面の形状、2列シートの中央に設置した大きめのパーテーション、座席1列ごとに配置した窓など、細部までこだわり、「プライベートな空間」を感じられるようにする。客室の床面にカーペットを採用し、車内の静粛性にも配慮する。
車両中央の扉から乗車し、最初に目にする出入口部は、壁面下部や床に落ち着いた木目調の素材を施し、壁面上部は大理石調の素材を施したデザインに。ダウンライトで柔らかく照らすことにより、上質感を演出する。
車内設備に関して、スーツケース等を収容できる共用荷物コーナーを設けるほか、車いすスペースに隣接する座席を車いす利用者の優先席として設定。車内の状況を確認できる防犯カメラ、車内の空気環境を快適にする空気清浄機も設置する。車内無料Wi-Fiサービスも利用できる。
外装デザインは阪急電車の象徴であるマルーンカラーを基調としつつ、乗降用扉と車体のゴールドのラインにより、一般車両とは異なる特別感を演出。乗降用扉のガラスにステンドグラスをイメージしたデザインを施すことにより、特別な空間への玄関口としての存在感を強調するという。