マネーに関する読者の疑問にファイナンシャルプランナーがお答えします。今回は、浪費癖が復活しないかと恐れる33歳女性からの質問です。

マネーに関する読者の疑問にファイナンシャルプランナーがお答えします。今回は、浪費癖が復活しないかと恐れる33歳女性からの質問です。

◆Q. リモートワークから通常勤務に戻ったら浪費家に戻りそうで怖い!

「生涯独身で生きていくつもりの33歳女性です。20代の頃は奨学金の返済や遊びでの浪費が激しく、ほとんど貯金ができませんでした。コロナ禍で漠然と不安を感じ始めた一昨年の夏から家計簿をつけ始め、月15万円を貯金に回すようにしています。

相談者の家計データ

現在はリモートワークで一日中家にいるため衣類や外食の支出が抑えられており、月15万円を貯められているのですが、通常勤務に戻ったらまた浪費する生活に戻ってしまうのではと不安です」

◆A. 浪費の傾向を把握して対策を取れば大丈夫!!

コロナ禍のさなかに家計簿をつけ、貯蓄を増やすことができたのは本当に素晴らしいことです! 「災い転じて福となす」と言われるように、コロナ禍で感じた不安を行動することで好転させることができたわけですから、自分に自信を持っていいと思います。

それでも、「通常勤務に戻ったらまた浪費する生活に戻ってしまうのでは……」と不安になることもあるでしょう。そんな時は、改めて浪費の傾向を把握し、それに応じた対策を立てておけば、浪費をしたとしても最小限に抑えることができます。

具体的には、以下のような対策が考えられます。

◆1:浪費が再発する状況を自己分析する

自分の浪費の傾向やその原因を理解することが重要です。以下のように、浪費が再発する可能性がある状況を思い出し、それに対して対策案を考えてみましょう。

・クレジットカードが浪費の原因→クレジットカードを持ち歩かない

・お金があるとついつい使ってしまう→先取貯蓄を増やし、生活用口座にゆとりを持たせない

・仕事が忙しいと外食が増える→休日に作り置きをして、普段の料理の手間を減らす

・カフェに行く回数が増える→コーヒーやお茶はマイボトルで持ち歩く

どんな時に浪費をしてしまうのか自己分析をして、自分の生活に合った節約の目標を設定し、それに向けて努力していくことが役立ちます。

◆2:優先順位を明確にする

お金を使わないことが必ずしも美徳とは限りません。必要な物事には気持ちよくお金を使うことも大切です。大好きなことや、自分の心身・スキルを高めることにお金を使うことは幸福度を高めます。

例えば、「1年後に留学する」という目標があれば、目先のお金の使い方も留学費用の確保を意識した使い方になります。自分がなんのために家計管理し、貯めたお金をどのように使っていくのか、優先順位を明確にしていくことでメリハリを持たせたお金の使い方ができるようになります。

◆3:予算の策定

具体的な予算を立て、収入と支出を管理することで、お金の流れがコントロールしやすくなります。予算の作成時には、必要な経費だけでなく、余裕も持たせた金額設定にしましょう。

◆4:節約の方法を見直す

過去に効果的だった節約の方法が現在も有効かどうかを見直してみてください。新しい節約方法や習慣を導入することも検討してみるとよいでしょう。小さな成功と失敗を繰り返しながら金銭感覚を整えていきます。

◆5:誘惑に対処する戦略を考える

衝動買いなど、浪費につながる誘惑に対処する戦略を考えましょう。例えば、高額な商品を購入する前には、少し冷静になるために「購入を保留する期間」を設けるほか、買い物リストを事前に作成してからショッピングに行くなどの工夫をしてみるとよいでしょう。

◆6:サポートを求める

信頼できる友人や家族にサポートを求めることも、浪費を抑える一つの方法です。友人らに共感してもらうことで、モチベーションを保ちやすくなります。

必要であれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家からのサポートを検討するのもよいでしょう。ファイナンシャルプランナーの作るキャッシュフロー表によって現在と未来の家計状態を確認することで、さまざまな対策を打つことができます。

これらの方法を組み合わせることで、万が一浪費が再発したとしても大きな失敗は防ぐことができるようになります。

文:二宮 清子(ファイナンシャルプランナー)

家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり、赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。

文=二宮 清子(ファイナンシャルプランナー)