女優として数々の作品に出演している大島優子。2月23日公開のマーベル最新作『マダム・ウェブ』では主人公キャシー・ウェブ(マダム・ウェブ)の声を演じ、実写吹き替えに初挑戦した。マーベルファンだという大島は、本作への参加に大喜び。また、1児の母として、3人の少女たちを助けようと奮闘するキャシーに共感し、自身の母性と重なる部分もあったという。大島にインタビューし、本作出演の感想や母になってからの変化、女優業における転機など話を聞いた。
マーベル初の本格ミステリー・サスペンスとなる本作は、原作コミックでは未来予知でスパイダーマンを救う重要なキャラクターとして描かれるマダム・ウェブの誕生の物語。生死をさまよう事故をきっかけに未来予知能力が覚醒したキャシーは、偶然出会った3人の少女が黒いマスクの男に殺されるという悪夢のようなビジョンを見てしまったことから、3人を助けることを決意し、男に立ち向かっていく。
大島は「仕事はどんどん自分を塗り替えていきたいという気持ちでやっている」と言い、実写吹き替え初挑戦となった本作への参加にとても喜びを感じたという。しかも大好きなマーベル初参戦ということで「かなりうれしかったです」と声を弾ませる。
「マーベル作品は大好きでほとんど見ています。ファンの方も多いのでかなりプレッシャーもありましたが、マダム・ウェブの誕生の物語として、どういう人物か明かされる作品に携われるというのは本当に光栄なことだなと思いました」
そして、マーベル作品の魅力について、「一番は、見た人もなぜか強くなった気持ちになれるというところだと思います。見終わったあとに自分もスーパーパワーを与えられたような感覚に。そこが一番好きで、奮い立たせてもらえるのだと思います」と熱弁。続けて、「今回は頭脳的にも賢くなって教養がついたような気持ちにさせられる。フィジカルだけではないというのが、今までのマーベルヒーローとは違うなと思いました」と本作ならではの魅力を語った。
主人公の母性に共感 アフレコで涙が出たシーンも
本作を初めて鑑賞した時はあっという間に感じたという。
「序盤からスピーディーに展開が進んでいくので先が読めなかったですし、予知能力が始まってビジョンが見え始めたあたりは、現在なのか未来なのか、過去の話なのか、時間軸が変わるのは好きなジャンルで、ハラハラドキドキしながらも最後まで一瞬でした」
キャシーは次第に少女たちに対する愛情が芽生えていき、少女たちも変わっていく。
「最初は3人の少女を守るということに全然責任感を抱いていませんが、徐々に自分が守っていかなきゃいけないんだという気持ちが芽生えて、母性のようなものが生まれている。人間として欠けている部分もあったけど、3人の少女と出会ったことでどんどん成長し、少女たちもキャシーと出会ったことで変わっていくという、4人の成長物語でもあり、マーベル愛もしっかり描かれているなと思いました」
第1子を出産した大島。母親になったからこそ、キャシーの母性にとても共感したそうで、「少女たちを守っていくという責任感はとても理解できます」と語る。
続けて、「キャシーが自分の秘密を知るシーンは大号泣し、涙なしでは見られなくて、自分の境遇も変わったからだなとすごく感じました。涙したシーンはアフレコでもやっぱり涙が出ました」と明かし、「普段ドラマや映画、ニュースなどを見ていても、自分の感覚……母性が変わり、泣きそうだなというポイントがわかるようになってきました」とも話した。
仕事と子育ての両立に本音も吐露「複雑ですよ」
また、母親になってから「どの時間も大事にしよう」という思いが芽生えたと変化を明かす。
「仕事があっても家に帰ってからちゃんと子供と遊ぶ時間を作るとか。そして、仕事は家よりも携わる人が多く、その人たちの時間も使っているわけなので、その時間を大切にしてちゃんと向き合わないといけないなと思うようになりました」
さらに、「前よりも自己評価が低くなりました。子供中心になって自分のことを考える時間がなくなったからかなと思います」とママの顔を見せた。
今の女優業への思いも尋ねると「複雑ですよ」と本音を吐露。
「お仕事は楽しいですし、仕事は今までの自分を塗り替えていきたいという気持ちでやっていますが、家を空けることにもなるので『大丈夫かな?』と不安になることもあります。子供といる時間を仕事にあてることになるので、一つ一つの仕事を大切にしたいという思いが以前よりも強くなりました」