JR九州は19日、「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」の開催に合わせ、2024年春に運行開始予定の新D&S列車、特急「かんぱち・いちろく」の外観・内装、車両レイアウト、ロゴマークが決定したと発表した。
「かんぱち・いちろく」は3両編成で全席グリーン席。定員は合計60名(3号車に車いす対応座席あり)。外観は艶のある黒を基調としたデザインで、車体にゆふ高原線(久大本線久留米~大分間)の路線図をモチーフにしたゴールドラインと、ゆふ高原線の駅名によるエッジラインが描かれる。車体にゆふ高原線沿線の景色が映り込むことで、車両全体で雄大な風景を表現するデザインとした。
ロゴマークには由布岳をモチーフとした冠を用い、漢数字の「八」を表現。沿線を流れる川を漢数字の「一」で表し、それが6つ集まることで、漢数字の「六」を描いているという。
1号車は畳個室(1室定員6名)、ソファ席(5席各定員3名)、BOX席(定員6名・定員4名を1席ずつ)を用意。内装は大分・別府エリアの風土をモチーフにデザインされている。ソファ席は火山や温泉を想起させ、大分の県旗にも使われる赤をベースに温かい色味とし、重厚感のある座り心地を重視した。テーブルに大分産の杉を用い、天井や手すりも杉板で統一した木の温かみのある客室としている。
2号車は大きな窓から沿線の景色を望める「ラウンジ杉」。乗客の共用スペースとして自由に過ごせる。由布院・日田エリアの風土をモチーフにデザインされ、樹齢約250年の杉を用いた1枚板カウンターと、日田の底霧をイメージした天井により、天領地であった日田の豊かな自然を表現した。1枚板カウンターの端部にミラーサイネージを設置し、沿線の紹介動画など楽しんでもらう予定だという。2号車ラウンジはビュッフェも兼ね備え、ゆふ高原線沿線の美味しい食べ物・飲み物、列車のオリジナルグッズ等の販売を予定している。
3号車は畳個室(1室定員6名)、BOX席(定員4名の3席、定員3名の1席、定員2名の4席。計8席)を用意。福岡・久留米エリアの風土をモチーフにデザインされ、沿線の雄大な平野や山々を想起させる緑と、福岡の県章にも使われる青をベースに、落ち着いた空間としている。テーブルに福岡産の杉が使われ、半個室型のBOX席は2~4名でゆっくり過ごせる。畳個室はこども連れ家族やグループ等での利用に対応し、大きな窓から沿線の景色を楽しめる。