この春に進学したり、新社会人になったり、引っ越しをする予定の人も多いのではないだろうか。そのタイミングでクルマが必要になり、どのクルマを選ぶか頭を悩ませている人もいるはず。そこで今回は、春からの新生活を応援するべく、コスパに優れた中古車4台をピックアップしてみた。いずれも安いだけでなく、プラスアルファの魅力を備えており、ライフスタイルに合わせたクルマ選びをサポートしていこう。


走りにこだわるなら「スズキ スイフトスポーツ」




 初めてクルマを買うけれど、退屈なのはお断り。そんなスポーツマインドを持ったビギナーにおすすめなのがスズキ スイフトスポーツだ。これはスイフトをベースに、専用内外装やハードな足まわりを組み込んだホットハッチ。パワートレインは140馬力の1.4Lターボを搭載し、6速MTまたは6速ATを組み合わせる。一見すると馬力は低いと感じるが、車両重量は1トンを切っているので、140馬力でも十分速い。MT車を操れる数少ないモデルなので、運転を楽しみたいユーザーにおすすめなのだ。また、ベース車がスイフトなので実用性は一般的なハッチバックと変わらないのも魅力。大人4名なら十分に乗れるスペースが確保され、小旅行にも使えるだろう。 



 中古車はどの世代も物件が揃うが、現行型も比較的手頃な価格で入手可能なので今回はこちらを紹介したい。中古車価格帯は120万円~250万円で、平均価格は180万円。100万円台前半の予算から探せるので、初めてクルマを買う人にも適している。さらに低予算でねらうなら、100万円以下の物件が多い先代モデルに注目するのもあり。


車内の広さを重視するなら「ホンダ N-BOX(先代)」




 新生活の準備をするなら、広い室内のクルマがあると便利。引越しはもちろん、かさばる荷物を運んだりする際にも重宝する。そんな時に大活躍してくれるのが、ホンダ N-BOX。昨年10月にフルモデルチェンジを受けて新型になったが、こちらは中古車が多くないので先代モデルに注目。先代N-BOXのデビューは2017年9月で、全高1.8mのスーパーハイト型の軽ワゴンに属する。この世代では、助手席を570mmスライド可能な「助手席スーパースライドシート」を採用したのがトピック。リアシートのスライド機構と組み合わせることで、多彩な室内アレンジができるようになったのが魅力だ。また各グレードに先進安全技術「ホンダセンシング」を標準装備車を設定することで、安全性も抜かりなし。内外装の質感、走りのフィーリングともライバル車よりもワンランク上で、普通車のような感覚で使えるのも美点。



 中古車価格帯は、N-BOXが60万円~200万円、N-BOXカスタムが80万円~230万円となっており、中古車平均価格は前者が130万円、後者が155万円。いずれも100万円台前半の予算から探すことができる。また物件数が非常に多く、好みのボディカラーやグレードを予算に応じて購入できるのもメリットだ。


燃費にこだわるなら「トヨタ アクア(先代)」




 毎日クルマを使うなら低燃費は必須条件。一ヶ月にかかる燃料代の差は小さくても、年単位で計算するとその差は大きい。低燃費かつ高コスパのクルマといえば、トヨタ アクアは外せない選択肢だろう。初代が発売されたのは2011年12月で、すでに12年以上経過した。しかし、WLTCモードで最大29.8km/Lの燃費は、現在の基準から見ても非常に優秀。また、度重なる改良により質感も大幅に向上しており、今でも十分ねらい目のモデルとなっている。全長およそ4mの5ナンバーサイズなので、交通量の多い都心部でも気楽に乗れる。運転免許を取り立ての初心者ドライバーでも安心なのが魅力だ。



 WLTCモードで最大35.8km/Lを誇る最新型アクアも魅力だが、低予算で探すなら先代モデルがおすすめ。物件数は極めて多く、相場も落ち着いている。中古車価格帯は30万円~200万円。販売期間が長いため、年式によって相場が大きく異なるのも特徴。10年落ち以上の低年式物件の中古車平均価格は60万円と安いものの、5年落ち(2019年式)では130万円、3年落ち(2021年式)では160万円となっている。予算に合わせて中古車を探そう。


デザインにこだわるなら「マツダ CX-3」




 せっかくクルマを買うならデザインにこだわりたい。そんな人におすすめなのが、マツダ CX-3。2015年2月に発売されたCX-3は、全長およそ4.3mのコンパクトSUV。エクステリアには「魂動(こどう)」デザインを採用し、有機的かつ立体的なボディラインが見どころだ。インテリアも同クラスのライバルよりもワンランク上の上質さを誇り、内外装ともに非常に洗練されたデザインとなっている。パワートレインは当初1.5Lディーゼルターボのみが設定されたが、後に2.0Lガソリンエンジンも搭載されている。ディーゼル車はパワフルな加速が特徴で、街中から高速道路まで扱いやすい。洗練された見た目はもちろん、走りも一級なのがCX-3の大きな魅力だろう。



 プレミアム性を押し出した戦略により、デビュー当時の新車時価格はおよそ240万円~300万円と、ライバルであるホンダ ヴェゼルや日産 ジュークよりも高めだった。中古車価格もそれを反映し、発売からしばらくは高値をキープし、やや手が出しにくいモデルとして知られていた。しかし発売から10年以上が経過したいま、中古車相場が下がって買いやすくなった。中古車価格帯は70万円~250万円で、100万円台の予算で幅広い車両から探せる。物件数も充実していて買いやすいのも魅力。ただしガソリン車の割合は少なく、大半がディーゼルとなるので注意。「XDツーリング」がねらい目だ。


まとめ




 コスパを重視すると魅力ある選択肢が減るのでは…と思いがちだが、走りや燃費など一芸に秀でたクルマは意外と多い。クルマ選びのコツは、1世代前の売れ筋モデルをねらうこと。1世代前だと相場が大きく下がって探しやすく、物件数が多ければ多いほど中古車選びの際の選択肢が広がる。