2023年6月29日をもって解散したガールズグループ・BiSHのメンバーで、小説家としても活動しているモモコグミカンパニー。2月14日には、解散宣告された日から東京ドームでのラストライブまでの3年半の日々を赤裸々につづったエッセイ『解散ノート』が発売される。弱い心もさらけ出しながら解散という終わりに向き合い、少しずつ強くなれたというモモコグミカンパニーの変化に迫りつつ、執筆業への思いも聞いた。

  • モモコグミカンパニー

    モモコグミカンパニー 撮影:加藤千雅

――『解散ノート』では、悩みや葛藤を隠さずさらけ出されていて、そこに共感する人も多いだろうなと感じます。

その頃の自分はすごく汚いと思っていたんです。解散が近づくにつれて、ソロ活動がみんな多くなり、「この子はソロの仕事が入っているのに私は全然ないな」「私は需要がないんだ」と、矢印がどんどん悪い方向に向かっていって、そう思っている自分も汚いし、傷ついている自分も汚いなと。その頃の自分に対する評価が真っ黒というか、汚いグレーでしたが、今思うと、その時についた傷跡やあざもすごくきれいに見えるので、不思議だなと思います。

――汚い心は知られたくないと思うものですが、そこを赤裸々に書かれていますよね。

プロデューサーの渡辺(淳之介)さんに「私ソロの仕事がないんですけど、何をしていけばいいですか?」と涙が出そうになりながら話をして「俺は味方だから」と聞いてもらえたことなどがすごく支えになり、本当に周りに支えられているなと感じますし、弱音を人に話すことも大切なのかなと思いました。

――昔から弱音を吐けるタイプでしたか?

全然正直に言えない子供でした。痛くても痛いと言わず、泣きたい時でも泣けない幼少期を過ごしていましたが、世の中そこまで甘くないぞと思うように。子供の頃は、傷ついたら何も言わなくても親が絆創膏を貼ってくれていましたが、大人になってから、何も言わずに傷に気づいてくれというのは傲慢なことだなと。苦しいと言えば何か解決策をもらえると思うし、傷をさらけ出すことによって助けてくれる人はいると思うので、ふさぎ込む前にその一歩を踏み出すのはどうでしょうか、というのはいろんな人に言いたいですし、『解散ノート』が人生に悩んでいる人の背中を少しでも押せたらと思っています。

――SNSやこれまでのエッセイなどでも本音をつづられてきて、勇気をもらったというような反響も多いのでは?

そういうことを言っていただくことはBiSH時代からすごく多くて、最初はびっくりしました。エッセイを発表した時に、私はカッコ悪さをさらけ出している気分でいましたが、「勇気づけられました」という声をもらって、それが人のためになるんだというのは新鮮でしたし、見てくれる人は見てくれるんだと思いました。そして、自分をさらけ出したからこそ出会えたファンの方もいて、そういう人たちは本当にかけがえがないなと思いますし、BiSHという場所があったから自分をさらけ出すことができたなと感じています。

――今後もありのままの自分を出すというのは大事にしていきたいと考えていますか?

ありのままのすべてを出すことがいいのかわかりませんが、心の悲鳴などに蓋をしないで、ちゃんと聞いてあげることは大切にしようと思っています。

  • モモコグミカンパニー

ソロライブも自信に「1人で歌っても来てくれる人がいる」

――SNSの声にショックを受けることもあったようですが、どのようにしてSNSとのいい距離感を見つけてきたのでしょうか。

テレビに出演した時に「歌割りが少ない」「歌ってないじゃん」と書かれたり、今でもネガティブなものもありますが、考えていたら仕方ないなと思うようになりました。自分の心が強くなったといえばそうかもしれませんが、全員に好かれるのは無理だなと思うし、嫌われる部分がある人のほうが魅力的だと思うように。見られていることの裏返しでもありますし、無理に好かれる必要はないんだなと1人になってからより思います。

――そう思えるようになったきっかけがあったのでしょうか。

今は1人で、自分が傷ついていたら仕事にならないので、メンタルも自分でちゃんと管理しようと思うようになったことが大きいのかなと思います。あと、1月に(momo)という名前でソロライブをやらせていただき、それも自分の中で自信に。自分1人で歌っても来てくれる人がいるというのが衝撃で、BiSH時代に歌パートが1行とかしかなかった人間が全部歌っているってすごいなと思っています。

――自己評価がすごく低かったところから、少しずつ自分に自信を持てるように。

1人でテレビに出る時など、「私のことなんて見たくないだろうな」と思うこともありましたが、私のことを見てくれている人もいて、そういう人たちがいると思うと自信を持って画面に映れるようになったので、日々感謝の気持ちでいっぱいです。モモコグミカンパニーを無下にすることは、好きでいてくれるファンの人のことも無下にするのと一緒なので、自信を持って画面に映ろうと思うようになりました。