ノートとマーチはどちらも日産から発売されているコンパクトカーです。なお、マーチは既に生産が終了しているため購入する場合は中古車市場をチェックしましょう。

どちらも人気のコンパクトカーであるため、マイカー選びに迷う場合もあるでしょう。そこで、この記事ではノートとマーチの特徴を価格や走行性能、燃費性能、安全性能など様々な観点から比較します。

今後、取り回しのよいコンパクトカーを購入したいと考えている方は、当記事の情報をお役立てください。

日産 ノートのプロフィール



ノートは日産から販売されているコンパクトカーで、初代は2005年に登場しました。コンパクトカーならではの取り回しよさや優れた燃費性能により、単身者からファミリー層まで幅広いユーザーの人気を獲得しています。

2020年に発売された3代目からはe-POWER専用モデルとなっています。ノートはBセグメントに使用されるCMF-Bプラットフォームを採用し上質な走りを実現。サスペンション回りの剛性やステアリング回りの剛性が向上しています。e-POWERの魅力としてブレーキを踏まずにアクセルをオフにするだけで、ブレーキングに相当する減速力があります。

ノートは発売から15年以上経過した現在でも多くの人に親しまれているコンパクトカーです。

先代モデルとの比較

ここからは、ノートの魅力を知るために歴代ノートの特徴を振り返りましょう。

初代ノートは、2005年に登場しました。走行性能と居住性に焦点を当てている特徴があります。広い室内空間を確保するためにロングホイールベースや二段トランクを採用するなど、設計の工夫がみられます。近年ニーズが高まっているゆとりのある室内空間を実現したモデルといえるでしょう。

2012年には2代目ノートが発売されました。初代同様に走行性能や居住性の向上を意識しつつも、エンジンの変更を行うことでよりパワフルな走行も実現しています。買い物や通勤などで都心の街中を走行するのはもちろん、週末のおでかけや長距離ドライブでも快適な走行を実感できるでしょう。

また、2006年に発売された2代目モデルにはハイブリッド車が追加されました。スポーツモデルの「NISMO」も同じタイミングで登場し話題になっています。

現行モデルとなる3代目ノートは2020年に販売が開始されました。3代目はすべてe-POWERに統一。安全面では全方位運転支援システムが改良され安全性が向上しています。

日産 マーチのプロフィール



マーチは発売開始から40年以上の歴史を持つ日産を代表するコンパクトカーです。なお、日本仕様の生産は2022年に終了しています。小回りの利く操作感で運転に慣れていない方でも運転しやすい特徴があります。

現行モデルの発売開始は2010年で14年もフルモデルチェンジが行われていませんが、古臭さを感じさせない愛らしいデザインが特徴的です。グローバルコンパクトカーとしてビッグマーケットの東南アジアに近いタイの工場で生産され、日本に輸出されています。

運転席の前後左右の死角が少なく、軽自動車並みの取り回しの良さから運転に不慣れな方でもスムーズな走行を実現できるでしょう。

先代モデルとの比較

ここからは、長年愛され続けてきたマーチの人気の理由を探るべく、歴代モデルを振り返っていきます。

初代マーチは1982年に発売されており、40年以上の長い歴史を誇っています。「マーチ」の名称は一般公募により決められました。当時は3ドアの4グレードのみでしたが、その後グレードが追加され5ドアハッチバックのモデルも登場しました。

1992年にはフルモデルチェンジが行われ2代目マーチが誕生。モデルは1Lと1.3Lのエンジンを搭載した2種類がありました。初代と同じく3ドアと5ドアのハッチバック型で、さらに丸みを帯びたデザインが特徴的です。

1Lエンジンモデルは「Eフラット」「i・z」「i・z-f」、1.3Lエンジンモデルは「Cシャープ」「Aシャープ」「Gシャープ」の全6グレードが展開されています。

3代目マーチは2002年に発売されました。コンセプトは「ユーザーフレンドリーを追求した、おしゃれな新世代コンパクトカー」。性能面の向上だけではなく、エクステリアも大きく刷新され、大きなヘッドランプとカエルの顔のようなフロントデザインが特徴的です。また、新開発の可変バルブタイミング機構が採用された直列4気筒DOHCエンジンが搭載されています。

現行モデルとなる4代目マーチは2010年に発売され、2022年に販売が終了しています。1Lエンジンと3ドア車は3代目マーチのマイナーチェンジが行われた際に終了しており、4代目では1.2Lエンジンと5ドアのみの展開です。また、日産初となる直列3気筒1.2L「HR12DE」エンジンを搭載。燃費性能の大幅な向上がみられました。

グレードは5つ展開されており、全グレードでトランスミッションに副変速機付きの新世代エクストロニックCVTを採用しています。

グレードと価格の比較

ここからは、ノートとマーチのグレード別に価格を比較していきます。

ノート メーカー希望小売価格
X(2WD) 2,249,500円(税込)
X FOUR(4WD) 2,508,000円(税込)
AUTECH(2WD) 2,592,700 円(税込)
AUTECH FOUR(4WD) 2,851,200円(税込)
AUTECH CROSSOVER(2WD) 2,625,700円(税込)
AUTECH CROSSOVER +Active(2WD) 2,669,700円(税込)
AUTECH CROSSOVER FOUR(4WD) 2,884,200円(税込)
AUTECH CROSSOVER FOUR +Active(4WD) 2,928,200円(税込)
マーチ メーカー希望小売価格
G(2WD) 1,470,000円(税込)
G FOUR(4WD) 1,640,000円(税込)
S(2WD) 990,000円(税込)
S Vパッケージ(2WD) 1,030,000円(税込)
X(2WD) 1,200,000円(税込)
X FOUR(4WD) 1,370,000円(税込)
ボレロ(2WD) 1,700,000円(税込)
ボレロ(4WD) 1,790,000円(税込)
NISMO(2WD) 1,630,000円(税込)
NISMO S(2WD) 1,870,000円(税込)

外観とボディサイズの比較



こちらでは、ノートとマーチのボディサイズを比較します。

ノート 全長4,100mm×全幅1,695mm×全高1,525〜1,535mm
マーチ 全長3,825mm×全幅1,665mm×全高1,515mm
ボディサイズを比較するとノートの方が大きい傾向にあります。

最小回転半径を比較するとノートが4.9m、マーチが4.5mのため、取り回しの良さや運転のしやすさに注目するとマーチが乗りやすいといえるでしょう。

どちらもコンパクトカーのため全高はさほど高くありません。立体駐車場や高さの制限が厳しい機械式駐車場でも問題なく駐車可能です。ただし、普段使わない出先での駐車場については事前に高さを確認しておくとよいでしょう。

室内の広さを比較



こちらでは、ノートとマーチの居住空間を比較します。

ノート 室内長2,065mm室内幅1,390mm×室内高1,255mm
マーチ 室内長1,905mm×室内幅1,370mm×室内高1,270mm
室内長や室内幅はノートの方が広く、よりゆとりのある室内空間設計であるといえます。マーチも室内高を高くして圧迫感を減らす工夫がされています。

燃費性能の比較

ノートとマーチのグレードごとの燃費(国土交通量審査値)は下記の通りです。

ノートのグレード
(ハイブリッド車)
WLTCモード 市街地モード 郊外モード 高速道路モード
X(2WD) 28.4km/L 27.8km/L 31.1m/L 27.1km/L
X 90周年記念車(2WD) 27.8km/L 27.0km/L 30.3km/L 26.7km/L
X FOUR(4WD) 23.8km/L 22.8km/L 25.8km/L 23.0km/L
X FOUR 90周年記念車(4WD) 23.2km/L 23.2km/L 24.8km/L 22.3km/L
マーチのグレード
(ハイブリッド車)
WLTCモード 市街地モード 郊外モード 高速道路モード
S(2WD) 17.6km/L 12.6km/L 19.1km/L 20.0km/L
S プラムインテリア(2WD) 17.6km/L 12.6km/L 19.1km/L 20.0km/L
X Vセレクション(2WD) 18.6km/L 13.9km/L 19.9km/L 20.8km/L
G(2WD) 18.6km/L 13.9km/L 19.9km/L 20.8km/L
燃費性能を比較するとノートの方が高い傾向にあります。マーチは2010年からフルモデルチェンジが行われていないため燃費性能に差が出たと考えられるでしょう。

動力性能の比較

こちらでは、ノートとマーチの動力性能を見ていきましょう。両車種のスペックは下記の通りです。

ノートのグレード エンジン種類 総排気量 最大出力
X
X FOUR
DOHC水冷直列3気筒 1.198L 60kW(82PS)/6,000r.p.m
マーチのグレード エンジン種類 総排気量 最大出力
ハイブリッド車(全グレード) DOHC水冷直列3気筒 1.198L 58kW(79PS)/6,000r.p.m
ノートもマーチもエンジンには3気筒タイプを採用しています。コンパクトなエンジンを搭載することで室内空間の拡大を図っています。

タイヤサイズの比較

こちらでは、ノートとマーチのタイヤサイズを比較します。

ノート 185/60R16(標準)
185/60R16(メーカーオプション)
マーチ 165/70R14
タイヤサイズを比較するとノートの方が大きいことが分かります。マーチはタイヤサイズもコンパクトなため、取り回しがよく狭い道の運転には適しているでしょう。

安全装備の比較



ノートは安全性能に優れた車種で、自動車安全性能JNCAPの最高評価である「ファイブスター賞」を獲得しています。現行モデルには前後方だけではなく死角になりやすい後側方を含む全方向の安全性をサポートする「360°セーフティサポート」を搭載。その他、ノートに標準搭載されている先進安全技術は以下の通りです。

・インテリジェント エマージェンシーブレーキ
・踏み間違い衝突防止アシスト(前進時・後退時)
・インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)
・インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)+ LDW(車線逸脱警報)
・インテリジェントDA(ふらつき警報)
・標識検知機能
・ハイビームアシスト

マーチは現行モデルの発売が2010年ですが、2020年の一時改良で先進安全装備が追加されました。また、「NISMO」「NISMO S」を除く全グレードが「サポカーSワイド」に認定されています。マーチに標準搭載されている先進安全技術は以下の通りです。

・インテリジェント エマージェンシーブレーキ
・踏み間違い衝突防止アシスト
・LDW(車線逸脱警報)
・ハイビームアシスト
・インテリジェント オートライトシステム

ラゲッジスペースの比較



こちらでは、ノートとマーチのラゲッジスペースを比較します。ファミリーで乗る場合やアウトドアを楽しみたい場合、ラゲッジスペースの広さが気になります。それぞれのサイズは下記の通りです。

ノート 奥行620mm×幅950mm×高さ860mm
荷室容量:約340L
マーチ 奥行560mm×幅1,350mm×高さ940mm
荷室容量:約226~251L
ラゲッジスペースの容量を比較するとノートの方が多く荷物を積めます。マーチは幅が広いため、長いものを積む際に横にして収納できる点が特徴です。

おすすめグレードの選び方

ここからは、ノートとマーチを「価格」「走り」「装備」の3つの観点から、おすすめのグレードを紹介します。

車を購入する際に注目するポイントは人それぞれです。なるべく価格を抑えて購入したい人もいれば、装備が充実していて快適なドライブを楽しめる車が欲しいという人もいるでしょう。自分がどのような目的を持ち、また何を重視したいかを考えて選ぶと自分に合った1台を見つけられるでしょう。

なお、マーチは生産が終了しているため中古車での購入となります。中古車はグレードだけではなく年式や走行距離などによっても価格が変動するため、こまめにチェックしましょう。

価格重視

価格を抑えてノートを購入したい方には、Xグレード(2WD)がおすすめです。価格は2,249,500円(税込)です。200万円台ではありますが、標準装備も充実しているため価格を抑えつつ、日常使いには十分な装備も搭載されています。

なお、4WDをお買い求めの場合は2,508,000円(税込)と、少し価格は上がりますが手の届きやすい価格設定といえるでしょう。

マーチをお得に楽しみたい方には、Sグレード(2WD)がおすすめです。当時の新車購入価格が990,000円(税込)と100万円を切る非常に手の届きやすい価格帯です。現在は販売が終了しているため、新車ではなく中古車での購入となりますが、中古車であればより価格を抑えて購入できるといえるでしょう。

日常使いできる取り回しのよいコンパクトカーを安く購入したいと考えている方におすすめです。

走り重視

ノートで快適な走りを楽しみたい方は、AUTECH FOUR(4WD)がおすすめです。スポーティなデザインが特徴的で、その中にも高級感漂う印象を与えます。また、静粛性に優れているため都心の街中はもちろん、住宅街を走行する際も騒音が気にならないでしょう。

走行性を重視してマーチを選ぶ場合は、X Vセレクションがおすすめです。アイドリングストップ搭載により停車時にエンジンを停車させて燃料の消費を抑制するシステムが備わっています。マーチの中でも燃費を意識して走行したい方におすすめです。

装備重視

ノートに装備の充実性を求める場合は、AUTECHがおすすめです。AUTECHに搭載されている装備は下記の通りです。

・AUTECH専用本革巻ステアリング
・LEDヘッドライト・フォグランプ
・アダプティブLEDヘッドライトシステム
・フロントセンターアームレスト
・リヤセンターアームレスト
・ブラックコンビレザレットシート

上記の装備は、Xグレードでオプション設定が必要です。AUTECHでは標準装備されているため、車の利便性をより高めたい場合や内装の充実を図りたい方におすすめです。

機能が充実したマーチを求める場合は、Gグレードがおすすめです。上級グレードなので内外装で上質さを演出しています。

X Vセレクションの装備内容に加えてS プラムインテリアと同様のメッキ加飾が採用されています。また、フロントバンパーロアグリル、アウトサイドドアハンドルを装備し、質感の向上もみられる点が魅力です。

さらにGグレードにはメーター内ディスプレイが搭載。外気温度や燃費、タイヤアングルなど様々な情報をまとめて視認可能です。

※本記事は、2024年1月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。