下町情緒漂う東京亀戸。地元の人たちで賑わう商店街、喫茶店や八百屋などレトロなお店が今も色濃く残っている。今回はそんな亀戸にある根強い人気の町中華に注目してみようと思う。どうやら超絶美味しい王道チャーハンの大盛りが1,000円以下で食べられるらしいので早速行ってきた。

行列の絶えない「ラーメンya」

JR総武線亀戸駅東口から徒歩7分。

大型商業施設や住宅が立ち並ぶエリアのなか、まるで昭和へタイムスリップしたかのような昔懐かしい雰囲気を一際放っているのが、ここ「ラーメンya」。赤い暖簾に黄色い看板、お店の壁面は黄緑色となかなかの奇抜さだ 。はじめて訪れるでも、どこにお店があるか瞬時に見つけることができる。いかにも町中華!!と言わんばかりの外観だが、大抵こういったお店は美味しい料理が出てくるに違いない。もちろん何の根拠もないが(笑)

営業時間は昼の部が11時半~15時半(L.O.15時)、夜の部は17時~20時(L.O.19時半)。 お昼時は混雑していると思い昼の部が閉店する間際の15時前に着いたが、この時間でも3組のお客さんが並んでおり、私の後にもさらにもう1組並ぶという人気ぶり。 待ち時間が少々あったので他のお客さんと話していたら、静岡県の浜松からはじめて来たという人もいた。

列が進むと、店内で黙々と料理をつくる店主さんが見えてきた。外に並んでいても中華鍋を振るう音と美味しそうな匂いが中から漂ってくる。それに対抗して私のお腹もギュルルッッと鳴っていた。

そういえば待ち時間にふと思ったことがある。「なぜ店名がラーメンyaなのだろうか」と。こういった町中華のお店でカタカナと英語が混ざった店名をあまり見かけたことがなかったので純粋に興味が湧いた。

そんなことを考えていたら遂に順番がきた。お店に入る前にお目当ての大盛りチャーハンを注文し、席へ通してもらう。

お店の中は木目調で実家に帰ってきたかのようなアットホームな空間 。これだけビールのポスターが貼ってあると飲みたくなってしまうが、まだ夜ではないので我慢我慢……。席はカウンターと4人掛けテーブルが2席ありこぢんまりしている。

圧倒的ボリューム! 1㎏大盛りチャーハンに感動

遂に噂の『大盛りチャーハン』が運ばれてきた。写真では伝わりづらいがなかなかのボリューム 。このチャーハンは総量1㎏ものサイズ感で、お米で例えると1㎏で約6.7合……いやいや、大盛りじゃなくて完全なるデカ盛りグルメ。

これがなんと960円!!驚くことに1,000円を切っていた。通常サイズで満足できない人や食べ盛りの学生たちにぜひおすすめしたい。ということで、いざ実食!!!!!

うんうん、こりゃあ美味しい……!!!!アッツアツの出来立てはやっぱり格別ですな。

具材はチャーシュー、ナルト、卵、ネギ、お米といたってシンプル。味付けも塩コショウと醤油のみで、昔ながらの美味しさを感じられる。特に味付けされたチャーシューの旨味がチャーハンの美味しさを引き立てていた。今まで食べてきたチャーハンの中でも味のバランスが良く、思わず「ウマい…」と息を吐くように言ってしまう美味しさ。

またこちらのチャーハンはしっとり系の口当たりなので、口へ運んだ時の具材のまとまりが良く食べ応えも抜群。店主さんに聞いたところ「チャーハンはお米が命」で、農家に直接買い付けに行っているほどお米には強いこだわりがあるそうだ。

セットで付いてきたスープも飲んでみる。

んん~~~身体に染みるぅ……。

さっぱりとした醤油ベースなので、気を付けないとゴクゴクいってしまう。チャーハンを食べるペースを考えながらスープを飲むのがポイント!チャーハンのボリュームがかなり多いので、適度にスープを挟むと程よい箸休めになるのだ。

チャーハンについてくる紅ショウガもちょっとした味変に。紅ショウガを加えることで味にメリハリがつき、新たな美味しさがうまれる。

子供の頃は紅ショウガの存在意義が分からなかったが、大人になってから脇役の大切さを理解できるようになったなぁ。

ひたすら黙々と食べ進めたのだがお腹が限界を迎えた。20代後半の女性の胃袋にこの量は少し厳しかったみたいだ…… その様子を察した店員さんがタッパーを持ってきてくれた。お店で食べきれなかったのは悔しいが、持ち帰って家で美味しく食べさせてもらうことに。

ちなみにこれだけの量で食べ飽きないか気になるところだと思うが、個人的にはお腹の限界が先に来てしまったのと美味しさが優先して夢中で食べていたので、特に食べ飽きることはなかった。人によってはもっと味の変化が欲しい!と思うこともあるかもしれない。そういった時は卓上にいくつか調味料があったので、それを駆使して食べ進めることをおすすめする。

一息ついたのでそろそろお店を出ようと思っていたその時、隣の席に大盛りのオムチャーハンが……!!

思わず注文した方に「大盛りオムチャーハンの写真撮っていいですか!?」と聞いたところ、快く承諾してもらったので写真に収めてきた。

大盛りオムチャーハンは卵を5個使用しているそうで総重量はなんと1.2㎏!! これは食べきるの大変そう……と心の中で思っていたが、数分でペロッと完食していた。確か1人で餃子一皿 も食べてたなぁ。

チャーハン、オムチャーハン以外にもカレーチャーハンがあるらしい。もちろん全て通常サイズと大盛りサイズを注文できるので、再来店した際は違う味のチャーハンも挑戦してみたい。

そんなボリュームたっぷりでコスパが良い料理を提供しているラーメンya。やさしい店主さんがインタビューを受けてくれたので、お店やメニューについて気になることを質問してきた。

34年間の想い

――「こちらのお店はいつから始めたんですか?」

昭和64年の9月にオープンしました。元々チェーン店のラーメン屋で働いていたのですが、親の借金を返すために独立してここに店を構えました。最初お客さんは来なかったし、料理を食べに来るというよりお酒を飲みに来るひとが多かったです。

――「創業当時からお店の雰囲気って変わりましたか?」

あまり変わってないかもしれません。外観は一度壁を塗りなおしたのと、内観も壁紙を変えたくらいですかね。調理器具も創業当初は良いものが揃っていたのでずっと同じものを使っています。

――「お店の人気メニューを教えてください」

やっぱりチャーハンですね。一応お店の名前が「羽つきギョーザと半チャンラーメンのラーメンの店 ラーメンya」なのですが、今やラーメン屋じゃなくて“チャーハン屋”になっちゃいました(笑)

――「1㎏もある大盛りチャーハンを提供し始めたきっかけはありますか?」

普通どこでもこういったお店には大盛りってあるでしょ?だから始めました(笑)あとよく「デカ盛りください」って言われますが、うちが提供しているのは大盛りです。全然デカ盛りではないです。

――「ずっと気になっていたのですが店名の由来を教えてください」

正直ここまで長くお店を続けるつもりはなかったので、シンプルに「ラーメンya」にしました。英語が入っている理由は、ホップ!ステップ!アップ!のように「ラー!メン!ya!」というテンションが良いかなと思ってつけました(笑)

――「今後お店をどうしていきたいですか?」

できればあと10年くらい続けていきたいです。私も60歳で体力的に厳しい部分もありますが、ありがたいことに来てくれるお客さんがいるのでもう少し続けたいと思ってます。

美味しさとボリュームの二刀流を兼ね備えたラーメンya

今回お店に伺って、なぜ行列ができるほどの人気店なのかがよく分かった。 味が美味しいのはもちろん、昔懐かしい雰囲気や店主さんの人柄があってこそ愛されるお店なのを肌で感じた。 今度は他の種類のチャーハンや、餃子とラーメンも食べてみたいのでまた近々行こうと思う。

最後に重要なことなので繰り返し伝えるが、メニューには大盛りチャーハンと書いてあるがこれはデカ盛りのボリュームといっても過言ではない。「大盛りくらいならいけるっしょ♪」という軽いノリで注文しないように。

町中華が好きな方や大盛り料理を食べたい方にはかなりおすすめなので、ぜひ亀戸に足を運んでもらいたい。

ラーメンya

住所:東京都江東区亀戸6-35-8
定休日:日曜日、祝日