北大阪急行電鉄は8日、箕面萱野駅で運転習熟訓練を実施し、その様子を報道関係者らに公開した。当日は箕面萱野駅の1番線・2番線を使って入換運転が行われた。箕面萱野~千里中央間(南北線延伸線)は3月23日の開業を予定している。

  • 北大阪急行電鉄が南北線延伸線の開業に先立ち、箕面萱野駅で実施している運転習熟訓練を報道公開

運転習熟訓練は乗務員および助役(監督者)の約60名を対象として、2月1~9日に実施。訓練内容は昼間と夜間で異なり、箕面萱野~千里中央間を通しての運転訓練は夜間に行う。通しの運転訓練を昼間に行うと千里中央駅始発の現行ダイヤに影響を及ぼすため、終電後に実施するという。

運転習熟訓練は北大阪急行電鉄の車両を用いるが、相互直通運転を行う地下鉄(Osaka Metro)御堂筋線の車両も、すでに試運転列車として箕面萱野駅まで入線している。

  • 1番線ホームに9000形が停車中

今回公開された訓練は、箕面萱野駅で入換運転を行い、1番線・2番線へ約5分おきに入線するという内容。使用車両は北大阪急行電鉄の9000形(9001×10両編成)だった。2番線ホームから出発した車両はポイントを渡り、1番線へ。一旦停止して待機した後、1番線ホームへ入線した。1番線ホームから2番線ホームへの入換運転も同じ要領で行われた。この訓練は箕面萱野駅付近における信号の動作確認などを目的としており、営業運転開始後、終電後を除き今回のような入換運転は行われない予定とのこと。

運転習熟訓練の全体的な趣旨としては、延伸線の線形、カーブ、勾配、信号の位置などを把握するねらいがある。加速、減速のタイミングを確認することも訓練に含まれる。

  • 1番線ホームを発車した後、千里中央方へ

  • 1番線で一旦停止

  • ポイントを渡り、2番線に入線

運転士以外も開業に向けた準備が進む。車掌は各駅におけるホームの形状、エスカレーター・エレベーターの位置、駆込み乗車の起こる可能性が高い場所の把握に努めている。駅係員に対しては、避難誘導経路を把握するため、実際に線路上を歩く訓練も行い、「万が一」の事態に備える。

北大阪急行電鉄の全駅を統括する駅長の田中裕介氏は、南北線延伸線の開業が近づいたことを受け、「新しいところを走るという意味では、どういった形になるのか不安もありますが、それよりも新しい地域を走るという意味で期待を込めております。いままでとはまた違ったお客様に乗っていただけることが楽しみです」とコメントした。

  • 2番線ホームの9000形。延伸開業をPRするヘッドマークが掲げられていた

なお、2月9日まで運転習熟訓練を実施した後、2月10日からは設備の手直し、検査などを行う予定だという。今回の訓練を行った箕面萱野駅のホームは完成に近い状態であり、いよいよ開業が目前に迫っていることを強く実感した。