『院内警察』 金曜21時~ フジ

出演者:桐谷健太、瀬戸康史、長濱ねるほか
寸評:最大の焦点は、主人公が捜査一課のエリートという肩書きを捨てて院内交番勤務を志願した理由。さらに、対立する天才外科医の過去。週替わりのエピソードは丁寧に描かれているが、大テーマのスケールが評価を決めそう。医療×刑事の超堅実保守路線であり、フジ金曜21時枠の戦略が見えるが、見る人を選び、ヒットは出づらいだろう。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 桐谷健太


『不適切にもほどがある!』 金曜22時~ TBS

出演者:阿部サダヲ、仲里依紗、磯村勇斗ほか
寸評:宮藤官九郎×金子文紀×磯山晶のトリオに、トレンドの令和・昭和ギャップ、芸達者な役者たちなど、老若男女をとらえる盤石の勝ち戦。ストーリー性は極めて薄く、タイムスリップという入口は安易な一方、笑いの濃度はこれ以上ないほど濃く、令和の日本社会に対するメッセージは鋭く、ほどよく考えさせられる。小ネタの手数と密度は宮藤作品の中でもトップクラスで、ミュージカルなど演出の自由度も最高峰。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

  • 阿部サダヲ


『おっさんずラブ -リターンズ-』 金曜23時15分~ テレ朝

出演者:田中圭、林遣都、吉田鋼太郎ほか
寸評:社会現象となった2018年から6年が過ぎ、LGBTを扱ったドラマやピュアなラブストーリーが当たり前になり、特別感は消えた。それでも、あえて成長させないキャラクター設定と、多少の図式変更で熱心なファンを楽しませている。ただ俳優の“おっさん度”が増す中、若手俳優の抜てきが見たかった感もある。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 田中圭


『闇バイト家族』 金曜24時12分~ テレ東

出演者:鈴鹿央士、山本舞香ほか
寸評:2023年の流行語にもなった「闇バイト」の問題を掘り下げる社会派と思いきや、ダメ人間たちの再生ドラマだった。テレ東「ドラマ24」らしいダークサイドを期待していた人は肩すかしだったのではないか。家族のポンコツ加減、絶体絶命の乗り切り方、刑事のビジュアルなど、まさにハチャメチャな世界観は金曜深夜帯にハマっている。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

  • 鈴鹿央士


『新空港占拠』 土曜22時~ 日テレ

出演者:櫻井翔、比嘉愛未、白石聖ほか
寸評:前作『大病院占拠』とほぼ同じ流れで、さしたるアレンジはなし。警察が特定しやすい動物の仮面、鈍い動きのアクション、俳優名当てクイズなど、若年層にツッコミを入れながら見てもらう戦略は踏襲されている。せっかくの続編なのに前作とのつながりはほぼなく、当初『×××占拠』と伏せていたのに1週間前に公開した意図は不明。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】

  • 比嘉愛未


『恋する警護24時』 土曜23時~ テレ朝

出演者:岩本照、白石麻衣、溝端淳平ほか
寸評:現役アイドルのボディーガード役、警護対象の女性とひとつ屋根の下で暮らす、守ることで生まれる愛、Snow Manの主題歌までガチガチのアイドルパッケージドラマ。配信再生数が稼げればOKだが、編成的にはもう少し深い時間帯のほうが反発を受けずに済みそう。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】

  • 白石麻衣 撮影:望月ふみ