『となりのナースエイド』 水曜22時~ 日テレ
出演者:川栄李奈、高杉真宙、水野美紀ほか
寸評:医療資格を持たず、患者の命は救えない主人公…のシリーズだが、今作は看護師ではなく看護助手。献身的に世話をする姿には惹かれるし、「ただの医療オタクではなく実は外科医だった」という意外性や姉の死をめぐる謎など、エンタメ度を高めようという努力が随所に見られる。ハートフル、シリアス、コメディの最適なバランスがまだ見えず。
採点:【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『婚活1000本ノック』 水曜22時~ フジ
出演者:福田麻貴、八木勇征、関水渚ほか
寸評:幽霊はシンプルかつ安易な設定だが、痛々しくなりがちな婚活をポップに描くことに成功。福田の起用でアラサー女性の描写がリアルになり、婚活に対するテンションの低さや顔で選んでしまう失敗などに説得力を生んでいる。“婚活あるある”の手数が多い一方で女性のキャラクターが多様に描かれ、決して結婚ありきではない作品。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『グレイトギフト』 木曜21時~ テレ朝
出演者:反町隆史、波瑠、佐々木蔵之介ほか
寸評:「殺人球菌をめぐるノンストップサバイバル医療ミステリー」というコンセプトに大規模なテロやパンデミックのようなものをイメージした人は肩すかし。序盤は病院内の出世争いに使われるのみで、悪事や野望のスケールに物足りなさが残る。主人公がまさかのダークサイドにハマるという展開は意外性十分だが、ツッコミどころもチラホラ。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『大奥』 木曜22時~ フジ
出演者:小芝風花、亀梨和也、西野七瀬ほか
寸評:民放が時代劇の連ドラを制作し、オール京都ロケはそれだけで評価されるべきこと。ただ物語の密度は過去作の半分程度で、序盤は大義や野望なきいじめのような描写が続き、『大奥』らしい怖さを感じず。10代徳川家治の時代は特別な出来事が少なく厳しいのか、脚本を練る時間が足りなかったか。平日午後の過去作再放送に負けている。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】
『めぐる未来』 木曜23時59分~ 読売テレビ・日テレ
出演者:萩原利久、早見あかり、勝村政信ほか
寸評:『ブラッシュアップライフ』を彷彿させる「○周目」を描いたタイムリープ過多のコンセプト。こちらのメインは犯人探しのミステリーで、「感情が爆発するとタイムリープする」というひと工夫こそあるが、既視感は拭えない。妻が死ぬとやり直せるという流れはゲームのリスタートを思わせる軽さ。母親役の佐伯日菜子が異様な存在感…。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】
『ジャンヌの裁き』 金曜20時~ テレ東
出演者:玉木宏、桜井ユキ、田中直樹ほか
寸評:「検察審査会って何?」という人も多いであろう、ありそうでなかったリーガルドラマ。弱者の一般市民たちが強者の検察や巨悪に立ち向かうというド真ん中の勧善懲悪は、いかにもテレ東20時枠らしい。どこか学級会を思わせるゆるい話し合いに、「スカッと解決」ありきの結末、決めゼリフありのベタな脚本・演出は中高年層向けか。
採点:【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】