漫画家・大竹玲二氏による人気コミックをドラマ化した土曜ナイトドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(毎週土曜23:30~、テレビ朝日系)が20日にスタートした。今作は、“父親の親権獲得率わずか1割”という壁に立ち向かう男の奮闘を描くリコン・ブラックコメディ。関東新聞社の社会部記者・岡谷渉(伊藤淳史)は、7歳になる一人娘・心寧(磯村アメリ)の親権を獲得するべく養育実績を重ねながら、妻・綾香(篠田麻里子)の不倫の証拠集めに勤しみ、勝率1割の困難な戦いに挑む。

初回見逃し配信再生数が、テレビ朝日歴代全番組で最速となる3日間で240万回再生(2,425,877再生 ビデオリサーチにて算出 期間1月21日~23日)を突破するなど大きな話題を呼んでいる今作は、ヒットメーカー・鈴木おさむ氏の地上波連ドラ引退脚本作。そんな話題作で主演を務める伊藤に、今作の魅力や共演者の印象を聞いた。

  • 伊藤淳史

    俳優の伊藤淳史

ぶっ飛んだ描写が多いが、考えさせられる作品

――出演が決まったときの率直な気持ちをお聞かせください。

なかなかインパクトのあるタイトルだなと感じました。少し過激といいますか、ぶっ飛んでいる描写が多いのでそこが目立ってしまうのですが、テーマとしては考えさせられる作品だなと。演じるキャラクターについても、とてもやりがいのある役なので、是非やらせていただきたいと思いました。実際に、シリアスなシーンもありながら、笑えるところはちゃんと笑えるようにメリハリを持って演じさせていただいています。

――やりがいのある役とのことですが、伊藤さんが演じる岡谷渉はどういったキャラクターですか?

不倫されている男……(笑)。それ以外は、特に変わった人というわけでもなく、どこにでもいるような普通の家族と暮らす普通の男性です。自分発信で何かが起こるわけではなく、周りにいる個性的なキャラクター発信で何かが起こることになる。なので、僕自身、渉は巻き込まれ体質であると分析しています。

原作漫画でも衝撃的なシーンがあるのですが、ドラマでもなかなか衝撃的なシーンが渉に襲い掛かることになります。普段経験できないことをお芝居で経験できるので、楽しく撮影させていただいています。

――衝撃といえば、毎話ごとに渉がケガをするシーンが思い浮かびます。

おっしゃる通り、毎話必ずどこかケガをすることになるんですよ(笑)。傷付いたり、頭に包帯を巻いたり、脱臼したり……。そんなところも含めて、コメディシーンはこういう感じになりますよと、毎回監督から説明があるんですけど、それが本当に面白いんです(笑)。僕が口頭で説明されているだけで爆笑してしまうほど面白いので、僕もドラマを見るのが毎週楽しみです!

鈴木おさむ氏に「この作品が最後でよかった」と思ってほしい

――鈴木さんの地上波連ドラ引退作品となるそうですが、現場の雰囲気はこれまでの作品とは異なりますか?

おさむさんの引退作品だから、現場の雰囲気がこれまでと違うということはないです。最高に面白いものや最高のドラマを届けたいということしか考えていないです。ただ、口にも態度にも出しませんが、僕は、おさむさんにこの作品が最後でよかったと思ってほしいですし、そう思ってもらえるように撮影を頑張っています。

――伊藤さんだからこそ分かる鈴木さんの脚本の魅力は?

脚本を読んだだけで、表情やシチュエーションがすぐに浮かび上がり、演じている自分の姿が見えてくるところが最大の魅力だと思います。キャラクターについても、一人ひとりにエネルギーが宿っているので、演じていてわくわくします!

篠田麻里子のすべてをリスペクト

――続いては、妻・綾香を演じる篠田さん自身の印象をお聞かせください。

篠田さんは超が付くほど明るいです。とにかく楽しく、現場を盛り上げてくれている印象があります。裏表もなく、サバサバしていますし、周りのことを気にかけてくれているなと感じています。撮影時間によっては「もう寝たいよ……」と弱音を吐いてしまいそうなときも、篠田さんは常に笑顔で過ごしています。待ち時間も、共演者とお話をすることが多く、知れば知るほどすてきな女性だなと思います。俳優としては、尊敬の一言。篠田さんが演じる綾香は、クセが強く本当に大変なキャラクターなんです。そんな役を引き受けてくれたこと、演じ抜いてくださっていること、すべてにおいてリスペクトです。

――再共演となるかと思うのですが、俳優として、篠田さんの変化を感じる部分はありますか?

『家族狩り』(14年、TBS系)で共演した際は、そこまで共演シーンがなかったのですが、少しだけお話ししたことがあります。そのときは、お芝居を勉強しているんですとおっしゃっていて、どこか自信がない様子もあったのですが、今回の作品では、現場に入る前から何種類ものお芝居のパターンを考えてこられていて、役に向き合っている姿勢が伝わってきます。